100匹に魅せられて あり3部作(1)

 9月の新学期から数えて100日目に当たる日(2月中旬)に、「学校100日目のお祝い」として全校上げての学習行事があった。教案集の書籍がたくさん出ているから、とても人気のある行事で、たぶん多くの小学校でやっていることなんだろう。
 幼稚園の生徒は単純に石や貝殻、マカロニ、米粒、スパゲッティなどなど、何かを100個収集して展示。娘は使用済み切手を100枚集めてチャートを作った。低学年はその100個をいろいろなグループに分けて展示(たとえば、25個のグループを4つ、10個のグループを10など……)。中学年になると、外に出て100という数字を基本にした測量ゲームを実施。(100歩で歩く、100メートル、100ヤードなどなど。これは主人のクラスが担当。)高学年は、方眼紙を利用して100辺でできる形、100平方センチメートルの形の発表など、それぞれの学年に合わせての展示があり、とても楽しめた。締めくくりは、全校が手をつないで廊下に一列に並び(平屋の校舎なので可能)、みんなで100まで数え、入り口ドアから100人目の子どもの位置を当てるゲームで盛り上がった。(廊下に記名されたポストイットがたくさん貼ってあったのは、その位置を推測したものだった。うちの子供ははずれてしまったけれど!)……というわけで、100日目の行事は大盛況。実際に参加する(ハンズ・オン)カリキュラムは、本当に楽しい。娘はこの日に向かって数字の100に興味を持ち始め、何でもかんでも数えたがった。そこで、100匹のありの絵本を思い出す。
 『100ぴきのあり おなかぺこぺこ』は息子が小さな頃に出会った絵本。100匹のありたちが、ピクニックのごちそうを目ざして行進する様子がユーモアいっぱいに描かれる。最初は100匹1列、でも遅いので50匹2列になり、それでも遅いので25匹4列になり……。要するに掛け算の概念を伝える絵本なのだけれども、娘はとにかく数字の100に魅せられ、どのページでもありの数を数えたがった。時間がかかるけれど、でも、楽しいね。ありの数がちゃんと正確に示されているから、さすが、作者は小学校の先生ということに納得。
 気候がよくなり、ありをたくさん目にするようになったので、再びこの絵本の登場。娘は今でも100の数が大好きで、ページをめくる度にありを数えようとする。タイミングよく?息子の部屋のじゅうたんに何か甘いものが残っていたらしく、集まってきたありを見て大さわぎする事件もあった。彼女にとってありさんは非常に身近な存在だ。
 最後の小さなありくんの一言について。娘に原書「It's not all my fault, you know!」と邦訳「ぼく、しーらないっと」――同じ箇所の意味を聞かれ、ちょっとたじろぐ。そのまま「ぼくのせいじゃないよね!」の方が、このお話のありくんらしいのでは。でも、日本語のリズムは全体を通して軽快で、100匹のありの行進ぶりが愉快に伝わってくる。(asukab)

100ぴきのあり おなかぺこぺこ

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One Hundred Hungry Ants

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