米国暮らしの絵本手帖〜翻訳絵本に寄せて〜

 最近、加齢と共に「絵本は絶対日本語でなければだめ!」とこだわるようになってきた。日本語で読むのと、英語で読むのとでは、わたし自身の感じ方がまったく違うのだ。心への響き方が違う。
 韻を踏む詩や長文の作品はむしろ英語の方がいいと感じるけれど、日常が描かれる作品、口語・会話が登場する作品は日本語でないと感性が反応しないことが多い。単純で短い作品は、特に。そんな理由から、翻訳絵本に寄せる期待はますます膨らんでしまう。
 自分で日本語に直してみることもあるけれど、この作業ばかりは心と言葉の芸術家に託す方がいい。言葉の深さ、輝き方など質が全く異なってくる。(asukab)