暮らし

クリスマス絵本24冊を布で包むアドベントの過ごし方

id:misaruさんから教えていただいたアイデアを今年、さっそく実行してみようと思います。これは、クリスマスまで1日1冊読もうと選んだ絵本24冊を、1冊ずつラッピングして、アドベント・カレンダーのように子どもたちに1日1つ、開いて楽しんでもらおう…

創造について

嵐、嵐。外は風雨の嵐で、スクーター(犬)がおびえている。これだけひゅーひゅー、ぼたぼたと音が騒げば、家の中で丸くなっていたい気持ちもよくわかる。外に出かける気持ちにはなれないよね。 ロジャーさんのブログに、米児童書出版界を揺るがした事件――と…

日本語と英語の行く末は……

自分のアマゾン・ジャパン買い物かごをのぞく。現在、中身の内訳は日本の昔話絵本が10冊ぐらいで全70冊の残りはすべて翻訳絵本である。なぜこうなるかといえば、米国に在住しているから。すでに原書で読んだ作品の邦訳絵本を注文する場合がほとんどだ。子ど…

絵本の切手

今月11日に、絵本の主人公(動物)をあしらった記念切手が米英で発売された。さっそく16枚入りシートを3冊購入。いかしているのは、1枚1枚切手の裏に作品解説が入っている点かな。米国版*1はすべて39セントで、はらぺこあおむし、メイシーちゃん(両者は…

映像と絵本・児童書の考察 

「ナルニア」――息子が見に行ったけれど、どうも映画館に足を運ぶ気になれない。どうしてかな。「チョコレート工場」のときはルンルンという気分だったのに。予告で目にしたとき、描かれ方が「指輪物語」みたいでちょっと引いてしまったのかも。トールキンの…

米国暮らしの絵本手帖 図書館リオープン

土曜日の朝、息子といっしょに銀行までバイキング(biking)。帰りは、本日グランド・リオープニング予定の図書館の近くを通った。自転車なら5分、徒歩なら10〜15分という距離に公立図書館があるって、これは非常に恵まれていることじゃないか。今日は正午…

米国暮らしの絵本手帖『本の選び方』

「本の選び方」が小学校の廊下に貼ってあったのでメモを取る。 ジャケットに印刷されている情報を読む。 他の人の感想を聞く。 5本指のルール:1ページに知らない単語が5つ以上あったら違う本を選ぶ。 好きになれそうか、ちょっと読んでみる。 おもしろい…

クイル賞に投票

8月15日からクイル賞の投票が始まった。締め切りは9月15日。対象は2004年8月1日から2005年7月31日までに発行された新刊書籍である。わたしはとりあえず、絵本は誰からも愛されそうな『Knuffle Bunny』に1票を投じた。対象は、米在住者だけだった。結果…

センダック最新作の背景

新作『Bears』出版に際し、センダックとクラウス合作に至るいきさつが新聞*1に紹介されていた。両者の出会いは、センダックがまだ絵本について何も知らなかった50年前にさかのぼる。 当時20歳のセンダックは、米大手玩具店FAOシュワルツのショーウィンドウ飾…

ヘレン・バナマンの原作絵本

予約しておいた『The Story of Little Black Sambo』(1923年版)が届いたと図書館からメールが入った。「THE ONLY AUTHORIZED AMERICAN EDITION」と記されていたものだ。 手にしてみて、この表記はしっかり表紙に印刷されていた。絵はバナマン自身によるも…

ハリー・ポッター真夜中のパーティー

1997年に出版されて以来、シリーズが出るたびに発売パーティーのことは耳にしていた。当時は息子がまだ小さかった頃。新聞や雑誌の記事を読み心引かれたが、夜遅いことがありなかなか思い切れない。でも今回は米国発売の7月15日を前に、あれこれ揺れること…

『こどものとも』50周年記念ブログ 

『こどものとも』は、わたしの生まれる何年も前に創刊された月刊誌である。子ども時代に出会った絵本の数々はこの月刊誌に導かれて生まれた絵本が多いので、その草創期を紹介するブログのことを知り心が躍った。 さっそく訪ね、色彩豊かな表紙のイラストを堪…

米国暮らしの絵本手帖〜評価の星の数〜

アマゾンなどで見かけるように、書評には5つ星評価が一般的である。わたしの場合5つ星は親子で楽しめた絵本というレベルで、質・内容ともに最高級の絵本には6つ星を与えたい。4つ星は子どもは喜んだけれど親としては「?」が付くもの、あるいはその逆。…

米国暮らしの絵本手帖〜絵本棚の整理3〜

テーマ別絵本の整理はずっと目ざしていることだが、テーマのカテゴリーはひとつには収まらない。公立図書館では、まず最初にフィクション、ノン・フィクションに分けられる。その後、年齢別。絵本はだいたい4歳から8歳向けとされているので、それ以前の赤…

米国暮らしの絵本手帖〜絵本棚の整理2〜

原書は小学校に寄付という形で落ち着いた絵本棚だったが、翻訳絵本はどんどん増えていく。400冊を越えたあたりから、目録を作るなり何とかしないと、どの作品がどこにあるのか分からなくなってきた。とりあえず「どんな絵本を所有しているのか」、これだけで…

米国暮らしの絵本手帖〜絵本棚の整理1〜

米国児童書出版社最大手のScholasticsは、学校で定期的に生徒向け図書販売を行っている。教師がブッククラブに加入すると学年・年齢別の8ページぐらいの薄いカタログが生徒一人一人に配布され、子どもたちは安価で本の注文が行える。ハードカバー、ペーパー…

米国暮らしの絵本手帖〜翻訳絵本に寄せて〜

最近、加齢と共に「絵本は絶対日本語でなければだめ!」とこだわるようになってきた。日本語で読むのと、英語で読むのとでは、わたし自身の感じ方がまったく違うのだ。心への響き方が違う。 韻を踏む詩や長文の作品はむしろ英語の方がいいと感じるけれど、日…

『ちびくろサンボ』復刊によせて

差別的表現が含まれるとして絶版措置の取られた『ちびくろサンボ』がこの冬、復刊された。日本社会の人権意識の低さを、世界に知らしめるできごとだ。戦争のない平和な社会なのかもしれないが、Politically Incorrect(PI)の概念が存在しない社会は、自己満足…

米国暮らしの絵本手帖〜米国絵本体験、「教科書よりも、本」の理由〜

米政府によって施される検定教科書のない理由には、個人主義、自由主義、商業主義などが理由に挙げられるでしょう。個の意見を尊重するため、ひとつの方法・考えが均一に全体には浸透しません。市場の自由競争を奨励する商業主義も、政府が定めるという枠に…

米国暮らしの絵本手帖〜米国絵本体験、豊富なテーマ別読書ガイド・書評〜

学校教育がテーマ別で進められることもあり、図書館ではテーマ別検索が容易です。たとえば、低学年の年間カリキュラムの場合、9月の新学期から、秋の自然、農場、ネイティブ・アメリカン、冬・冬眠、動物、人間の体、宇宙、は虫類、昆虫などに加え、季節行…

米国暮らしの絵本手帖〜米国絵本体験、多様文化をたたえる絵本〜

米国は北米先住民と移民により成り立つ国であることから、人種・民族の統計が教育に大きな影響を及ぼします。この統計は社会経済的な現状・問題に直結するので、多様文化を伝える絵本・児童書は学校教育はもとより異文化相互理解に欠かせません。米国の絵本…

米国暮らしの絵本手帖〜米国絵本体験、学校の中の絵本〜

息子が小学校に通い始めて以来、興味深く映るのが、日米の学校における国語教育の違いです。これは、漢字習得目的の反復練習がどうしても必要となる日本語と、読書やリサーチを通して語彙を学び思考を深めていく英語という言語体系の性質の反映といえるかも…

米国暮らしの絵本手帖〜米国絵本体験、プレスクールで〜

小さな頃からの言葉を通じてのふれあいは、心の教育、同時に言葉の教育に直結します。当たり前のことなのですが、なかなか気付けずにいました。言語は生活の中で自然に身に付けるもの程度にしか考えていなかったわたしは、特に子どもたちがプレスクールに通…

米国暮らしの絵本手帖〜米国絵本体験、はじめの一歩〜

娘の出産を終えた翌朝、帰宅する前に産院で受け取った一式には、赤ちゃん用毛布、たらい2つ、母親の水分補給用保温マグカップ、ペーパーバック絵本『Good Night, Moon(おやすみなさいおつきさま)』、そして「Read-To-Me (本、読んで)」とプリントされた…

米国暮らしの絵本手帖〜ひとこと〜

『米国暮らしの絵本手帖』は、絵本を取り巻く環境の現地レポート、個人的な意見などの、さまざまなつぶやき集です。 これ以外の見出しは、絵本を交えた日々の身辺雑記となります。その日に読んだ絵本とともに記すので、同じ絵本が何回も登場することがありま…

米国暮らしの絵本手帖〜日米絵本の徒然〜

子どもへの日本語継承の視点から、絵本は日本語の作品も多く読もうと心がけています。暮らしの環境から、それらはどうしても英語圏の翻訳絵本が中心になりますが、そのおかげで日本語版と原書両方を垣間見る機会が増えました。好きな作品はできるだけ両語で…

米国暮らしの絵本手帖〜絵本という時間〜

小さな頃から、絵本に魅せられています。振り返ってみると、絵が好きだったこと、詩や歌、音楽が好きだったこと、自然が好きだったこと……、そんな理由が挙げられるでしょうか。絵と言葉の生み出す小さな平面の芸術は、いつの間にか無限に広がるイマジネーシ…