My Mei Mei

 エド・ヤングの最新作『My Mei Mei』を読む。彼の絵本を読むのは、逆さま絵本『Pup Just for Me, a Boy Just for Me』以来で久しぶり。
 Mei Meiとは中国語で妹のこと。中国から2人の女の子をアダプトしている作者の思いを込めた記録絵本である。最初に長女アントニアを迎え入れたときから、ヤングはこの体験を何とか絵本にしたいと考えていたそうだ。作品には、アントニアが妹アナンダ(2人目の養子の赤ちゃんで、この作品のMei Meiに当たる)を受け入れていく様子が、布コラージュと冴えた写実描写で美しく表現される。
 画力のある作家って、すごいなあ。鉛筆の線を眺めるだけで心が透明になる。そこに花や唐草といった家庭のぬくもりがほのかに伝わる柄の布が貼られていて、ヤングの新境地ともいえるコラージュ・アートの世界ができあがっている。
 お話の流れもすてきなのだ。実話であるだけに胸を打つ。やってきた赤ちゃんはアントニアが夢に思い描いたような妹ではない。まだ小さくて歩けないし、おしゃべりできないし、いっしょに遊んでもくれない。おかげでお父さんもお母さんも赤ちゃんにつきっきり。でも、アントニアは少しずつ、妹に親しみを覚えるようになる。
 作中、ヤングも登場している。最後の姉妹の写真がとても愛らしい。ヤング家の記録絵本は、彼らの宝物になっただけでなく、アダプト経験のある家族はもちろんのこと、赤ちゃん・子どもを愛するすべての人にとって大切にしたい絵本になるだろう。(asukab)

My Mei Mei

My Mei Mei