CARNIVAL OF THE ANIMALS 動物の謝肉祭

 表紙に一目ぼれして思わず手に取った。『Carnival of the Animals with CD: Poems Inspired by Saint-Saëns' Music』は、サン-サーンス(1835-1921)「動物の謝肉祭」のイメージに合わせた詩14編が組曲とともに紹介される絵本である。モザイクのようにデフォルメされた動物たちのイラストに、まず魅せられた。
 付属のCDには序曲、ライオンの行進に始まって、雄鶏・雌鳥、馬、亀、象、カンガルー、水族館、ろば、郭公、鳥、ピアニスト、化石、白鳥、終曲と続く合間に詩の朗読が入る。音楽と言葉の生み出す色調の間を自由自在に行き来できて、心地よかった。「フレンチ・カンカン」や「きらきら星」「真夏の夜の夢」のメロディを含んだり、わざと稚拙に弾いたりと、シニカルな部分があるからだろうか、サン-サーンス自身1886年に作曲したこの組曲を生前、演奏することを許さなかったそうだ。唯一許可したのはチェロとピアノによる「白鳥」のみ。そんな作曲者の思惑を思うと、今ではよく知られた組曲も特別な調べに聴こえてくる。
 主人は子どもの頃、「水族館」のメロディが怖くて聞いていられなかったそうだ。わたしはどうだろう。「水族館」はやはり印象に残っている。「白鳥」もよく聴くからお気に入りだ。息子は「化石」を口ずさんでいた。
 CDには前半、組曲と詩の朗読、後半は組曲だけが収録されている。(asukab)
amazon:Satoshi Kitamura

Carnival of the Animals with CD: Poems Inspired by Saint-Saëns' Music

Carnival of the Animals with CD: Poems Inspired by Saint-Saëns' Music