Do Re Mi: If You Can Read Music, Thank Guido d'Arezzo ドレミを作ったグイード修道士のお話

 娘は、毎月のブックレポートが楽しみで仕方ありません。フィクションがテーマだった先月はお気に入りクレメンタイン・シリーズ*1の2冊目『The Talented Clementine (A Clementine Book)』を選び、一辺20センチのダンボール立方体にタイトルや設定、主人公を書き込んで紹介しました。
 さて、ノンフィクションがテーマの今月は、一体どんなスタイルの課題になるのでしょう。耳にしたところによると、今度は「詩」の形式を利用して、ノンフィクションを読んで新たに知った事実を発表するのだとか。科学で「鉱物、岩」について学んでいるのでこのテーマに合わせた図鑑の調べ学習もいいなと思いましたが、最終的に彼女は『Do Re Mi: If You Can Read Music, Thank Guido D'Arezzo』を選びました。(実はすでに伝記絵本『Make Your Mark, Franklin Roosevelt (Turning Point Books)』と決めていたのですが、あっさりと切り替えてしまいました。)
 この作品は、階名唱法の基礎を作ったイタリア・ベネディクト会修道士、グイード・ダレッツォ(995?-1050年?)の偉大な功績を紹介する興味深い歴史絵本です。音階や音符が生まれる以前、暗唱するしか方法のなかった唱歌をなんとか誰もが歌えるように記そうと試みたグイードの見識と努力の姿が描かれます。音楽を文字のように紙に記すとは、当時にしてみたら衝撃的なことだったのでしょう。歌は覚えて伝えるものという常識が染み付いていた人々に、新しい発想は受け入れられず、苦悩の日々が続きました。でも、友人の修道士マイケルに支えられ、最後には世紀の大仕事を成し遂げます。
 グイードの表情が人間味にあふれ、娘は彼の感情表出にとっぷり魅せられていました。バッハやモーツァルト、ベートーベンも、考えてみればこの働きがなければ存在しなかったのかもしれません。ピアノに親しむ彼女は、同時に音符を介してグイードとぴたりとつながったようでした。
 ちぎり絵、切り絵によるイラストが音楽に相応しい柔らかさを添えています。学術的なテーマをわかりやすく子どもたちに伝える明快な文章、核をついた展開も印象的でした。(asukab)
amazon:Susan L. Roth

  • 登場人物の豊かな表情が音楽的

Do Re Mi: If You Can Read Music, Thank Guido D'Arezzo

Do Re Mi: If You Can Read Music, Thank Guido D'Arezzo

 id:ie-ha-te-naさんで、ブックレポートについてちょっと言及しました。今回の【イエはてな】リブ・ラブ・サプリ#046 今日を楽しく、ちょっと… - 人力検索はてなは好きなテーマばかりだったので、すべてコメントに参加しました。