おしゃぶり だいすき ニーナちゃん

クリスマスの10日目

 笑う門には福来る、新春初笑い。『おしゃぶりだいすきニーナちゃん』を娘と読んで大笑いした。おしゃぶりをやめたがらないニーナちゃんにお母さんがいろいろ質問し、おしゃぶりをしゃぶったままのニーナちゃんが応える無邪気な会話が最高に愉快なのだ。訳が上手いということなんだろうけれど、とにかく傑作。

「ねえ、ニーナちゃん。そろそろ、おしゃぶり くわえるの、やめたら?」―「やだ!」「あたちの おちゃぶりだもん!」
「でもね、おおきくなったら ぜったい やめなきゃ ならないのよ」―「じぇったい じぇったい じゃめにゃい!」
「おそとに いくときも、くわえていくの?」―「もちどん! おかちと ちょこでーとも もって!」
「およぎに いくときも、くわえていくの?」―「しょう! くばえて いくの!」
「おとなになって、しごとで とおくに でかけるときも、くわえていくの?」―「しょうともよ! ろんなとちも くばえて いくの!」
「じゃ、けっこんしきでも ちゅくちゅく しゃぶるの?」―「しょ! ちれいな およめしゃんの ふく ちてね!」……

 娘は主人公の可愛らしさに抱腹絶倒するわたしを見て、笑っていた模様。こうやって会話を書き出してみると、幼い子どもしか体験できないうれしいときが記されていて、さらにニーナちゃんが愛しくなる。そういえば、息子も子音の発音がままならずこんな話し方してたんだ、「しょう!(=そう!)」「しょんなことないよ(=そんなことないよ)」なんて。おしゃぶりは、息子も娘も使わなかったなあ。
 あるできごとがきっかけでニーナちゃんはおしゃぶりとサヨナラするわけだけど、その場面もシュールで笑いがこみ上げる。子どもの幼さが恋しくなったら、この一冊。クリスマスがあと3日で終るので、本当はクリスマス絵本について書こうと思っていたのに予定が変わってしまった。(asukab)
amazon:Christine Naumann Villemin
amazon:Marianne Barcilon

  • 本文中には表紙と異なるニコニコ笑顔のニーナちゃんばかり。フランスの絵本

おしゃぶりだいすきニーナちゃん

おしゃぶりだいすきニーナちゃん