Big Smelly Bear 友だちづくりの絵本

 『Big Smelly Bear』は、不精で体も洗わない面倒くさがりや、おおくまさんの物語。あまりにも汚れているので、どこからともなく匂いもぷう〜ん。そんなこんなで森の動物たちから避けられていたけれど、本人はまったく気にしていなかった。でもある日、背中が猛烈にかゆくなってきた。ふわふわ毛のやさしいくまさんに出会い、体を洗ったほうがいいよと忠告されても、かゆいのに、頑固に「ノー」と言い張る始末。「こりゃ、だめだわ」と読者があきらめかける頃、しぶしぶ池に飛び込んで……。
 友だちの絵本とタグはつけてみたものの、恋物語とも受け取れそうな終り方。ある日突然、恋に落ちると、今までお構いなしの身だしなみが突如として気になり始めたり、ね。
 ドデンとした大きなくまの図体が、とびっきりいい味をかもしている。コンピュータ・グラフィックスで不透明水彩を加工した風合いが、大胆な構図と合わせてなかなか個性的なのである。版画やコラージュも駆使されていて、かわいいだけで終っていないアート風味が美味しかった。ドイツの絵本。
amazon:Britta Teckentrup

Big Smelly Bear

Big Smelly Bear