Billy and Milly, Short and Silly 鋭い感性がキラリ!

 シンプルなものこそ、ごまかしがきかないゆえに完璧さが求められる。"Billy and Milly, Short and Silly!"は、その「シンプル」が完璧にぴたりと決まった絵本。脚韻を並べただけの、ちょっと笑えるショートストーリー集である。わずか3語、あるいは4語でこれほどまで小気味お話を語ってしまう作品、今までにあっただろうか。いやはやとにかく、ページをめくるたび、息を呑むほど二転三転する展開に感心した。
 そしてこのイラストも。だいたい画家の名前からして「火曜日の悲嘆」と飛んでいる。プレティーンたちが好みそうな弾けたキャラクターに、あっさり白旗を揚げて降参した。作者も画家も、感性の透明度、センスの磨き方がまったく違う。あと作者が、学校の先生というのも魅力的。楽しい授業を展開させるのだろうなあ。ビリーとミリーのショートストーリー……、今後シリーズ化して欲しいなどと希望。魔女のように空に飛び出すシーンがあるので、ハロウィンの頃に読むのもよさそうだ。
 言葉を追って微笑む娘の表情を見るのが楽しかった。転げるように笑いたくなるとびっきりの短編13話が詰ったお洒落かわいい絵本。
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Billy and Milly, Short and Silly!

Billy and Milly, Short and Silly!