Dog Loves Books ほんやのいぬくん

　本の大好きな犬くんが、本屋を開いた。ほんわか好きなものに囲まれて暮らすのって、いいな。荷をほどいて本を並べ開店準備をする犬くんは、しあわせいっぱい。お客さんがなかなかやってこなくても大丈夫。犬くんは流れる時間に運ばれて本を開き、すうっとその中に入り込んだ。至福のひとときである。そうするうちに、大切なお客さんがやってきて……。
　しっかりお風呂に入って、身支度も整えて、最高の気持ちでオープニングの日を迎える犬くんの姿が好き。お客さんが見えなくても、しっかり自分の気持ちを持っている。これができれば、すてきなことは自然に起こるものだ。
　デビュー作に比べると「間」の使い方が上手くなり、大きく飛躍した。ぬくもりに満ちた本作はどのページを開いても心地よくて、なかなか本を閉じるところまで至らない。ずっと犬くんといっしょに、この空間に佇んでいたいのだ。
　淡い水彩で描く"Dog Loves Books"（邦訳『ほんやのいぬくん』）は、本好きさんへの最高の贈り物。白い布地の表紙に映る赤い本が印象的なので、クリスマスプレゼントにもいいなと思う。もちろん犬好きさんにも。見返しには、犬くんたちがいっぱい！
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Dog Loves Books

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