Frankie Stein Starts School フランキーがっこうにいく

 やはりカイブツ・オバケ界のお話なので、人間界の常識とはまったくことなる教室風景が描かれる絵本だった。
 主人公のフランキー・スタインは、あのフランケンシュタイン夫妻のフランキー坊や。まるで人間のような風貌なので、学校の初日から仲間はずれにされそうになる。しかしながら友だちにからかわれたり、馬鹿にされてもフランキーの反応は「それがどうしたの?」とさっぱりしたものだ。逆に、ぼくだって怪物だよと言わんばかりに悪乗りしはじめるのである。
 このくだりがもうタイヘン〜。こんなこと実際に子どもたちにされたら、大人は大弱りだ。顔をチョークで塗りたくり、コヨーテのおたけびをして大騒ぎ。ここまで羽目を外した絵本にしてしまっていいのかなと疑問詞をたくさん抱きながらストーリーの終幕へ向かうと、ところがどっこい、迎えに来たおとうさんとおかあさんの前には、いつもの笑顔でフランキー坊やが現れるのだ。その直前までの、やりすぎとも思えた興奮のるつぼは、いったい何だったのだろうと思わされるほど、最後はふつうにおりこうさん。学校はオバケ三昧でたのしかったよとの報告がなされ、さすが我が子! と両親は大満足する。
 カイブツ・オバケ界ならではの不思議さがいっぱい。これ、子どもには大受けだろう。でも、間違っても教室では読みたくないなあ。担任のワート先生が、いい味出していて笑える。
Frankie Stein かわいい坊やが一番コワイ - 絵本手帖

Frankie Stein Starts School

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