Captain's Purr ねこのせんちょう

 終日のたり、のたり風の夏の午後に楽しんでおきたかったな。『Captain's Purr』(邦訳『ねこのせんちょう』)を子どもたちといっしょに読んでの感想。家に一匹、こういうテンポの生き物がいると、日常の流れに余裕が生まれるものだ。眠りほうけて、身だしなみを整え、食べて満たされ、お気に入りの時間を過ごす。猫時間の存在は、前にしか進まない人間の時間を少しばかり巻き戻してくれ、こんな時間もあったのだなと教えてくれる。
 絵本の主人公キャプテン(せんちょう)の黒い模様をチャコール・グレーに変えると、そのままうちの猫タンタンになる。息子が小さな頃にお別れした猫だけれど、機会あるごと今でも思い出話に花が咲く。偶然にも絵本を読む前日、主人がつぶやいた。スクーター(うちの犬)が歳をとったら、また猫を飼おう、と。きっと仲良くやっていけるよ。その頃にはスクーターも、今より大人になっていると思うから。
 絵本のせんちょうはきれいな水彩画で描かれ、猫の魅力をたっぷりとふりまく。うちに再び猫がやってくる日まで(もちろん、それから先も)、のどを鳴らすせんちょうの姿を心行くまで楽しもう。夢を見ているかのような恋物語というのも、お洒落で心にくい。
 読み終え、『Cold Paws, Warm Heart』の作者であることに気づく。こちらのレビューは、また後日に。(asukab)
amazon:Madeleine Floyd

  • 美しい絵がゆっくりと流れていく絵本

ねこのせんちょう

ねこのせんちょう

My Father the Dog とうさんは いぬ

 とうさんは にんげんのふりをしているけど、ほんとうは いぬなんだよ。だって、こんなことが あるもの――。
 『My Father the Dog』は、米国中流家庭の日常とその典型的父親像が子どもの視点で描かれる絵本。「中流家庭」「典型的」と言い切ってしまってよいものか少しためらったけれど、要するにテレビコマーシャルに見られるような、一般的な米国の家庭の姿が示されている。愛すべき父さんがこんな風に犬に見立てられると……、思わず含み笑い。ああ、なんてほほえましい。瞬く間に、犬好き家庭で人気を博しそうだ。父の日の贈り物にぴったり。
 わたしの父は、こういうタイプじゃなかったな。主人も、ちょっと違う。まわりの友人にいるかな、こういう父さん……。(asukab)
amazon:Elizabeth Bluemle
amazon:Randy Cecil

  • 犬の習性を知っている人に、きっと大受

My Father the Dog

My Father the Dog

2006年のおすすめハロウィン絵本

 絵本おじさんのブログ*1に、おすすめハロウィン絵本*2五冊を記す。つい最近、ハロウィン・収穫感謝・秋関連の絵本を本棚から探し出したばかりだったので、すぐリストを挙げることができたけれど、作業中は「そういえば、これがあった」とか「ああ、これ持ってたんだ」などと、大好きな絵本にもかかわらず結構作品の存在を忘れていて少々あせった。あーあ、やはりしっかりとした目録を作っておかないと、重複して注文することがたびたび起こりそう。
 「記録は大切」とあらためて感じたので、おじさんのブログに記したタイトルを、2006年ハロウィン絵本として残しておこう。
 ハロウィン絵本のおすすめは……:

  • 動きのある表現が楽しい。音が聴こえてきそう

しゃっくりがいこつ

しゃっくりがいこつ

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  • 数の絵本。詩が洒落ている

魔女ひとり (魔女のえほん)

魔女ひとり (魔女のえほん)

amazon:Laura Leuck
amazon:S. D. Schindler

  • 胴長犬オスカーのハロウィン。子どもたちに大受

ハロウィンナー

ハロウィンナー

amazon:Dav Pilkey

  • ワニのへスターのハロウィン。おばあさんの話し方を「らしく」して大笑い

ヘスターとまじょ (世界の絵本コレクション)

ヘスターとまじょ (世界の絵本コレクション)

amazon:Byron Barton

  • なんといっても、お母さん(魔女)が最高に飛んでいる

魔女の子どもたち

魔女の子どもたち

amazon:Ursula Jones
amazon:Russell Ayto