２００７年の時価が、約２億８０００万円――。もっとも高価なベースボール・カードとは聞いていたけれど、そのゼロの数を数えてまさに絶句。たった１枚のカードに付いた値段でわたしにとりホーナス・ワーグナーの印象はずっと、「ベースボール・カードの人」…

"What If?"には、ほとんど文字がありません。絵を見ながら読者同士の対話を楽しむ絵本です。 冒頭の砂浜の場面には、ビーチボールで戯れる少年が一人。もし、ビーチボールが波にさらわれ、そこにアザラシが２匹現れたら……。そこにもし、もう１匹アザラシが現…

"Oh, Daddy!"は、「諭す」を描いた絵本です。忙しい朝、テレビに夢中になっているボクを見て、ダディがとんでもない格好で現れました。「こうやって、おようふくをきるんだよね？」――頭に下着をかぶる光景には「！？……」でしたが、色違いのキッチンミトンを…

まじめ顔の伝記絵本が多い中で、"Lincoln Tells a Joke: How Laughter Saved the President (and the Country)"はウィットに富み、イラストもアーティスティックときているので、かなり異色かもしれない。 ところで、初めて絵を見たときにふわっと記憶の底か…

コメディアンになる夢を持つにわとりが主人に暴言を吐かれて家出。途中、やはり使い物にならないとされた犬、猫、牛に出会い、泥棒たちの隠れ家に入り込む。連発されるジョークに気を取られて途中まで気づかなかったのだけれど、泥棒たちが出てきたところで…

"A Beach Tail"は、心地よい潮風が吹いてくる絵本。砂浜、カモメ、波しぶき……わたしの好きなものばかり散りばめられていて、お父さんといっしょに浜辺で戯れる男の子グレゴリーの気持ちがそのまま伝わってくる。グレゴリーは砂地にライオンのサンディを描い…

以前に紹介したタイトルは何だったっけ？……と掘り起こしてみたら、こちら。 →Bandit - 絵本手帖 第２弾の"Bandit's Surprise"は、飼い主のミシェルが小猫のミッツィを家に連れてくるところから始まる。設定からご想像のとおり、バンディットはミッツィをうま…

動物に関する興味深い事実を教えてくれる絵本。この作者コンビによる制作は、これで何冊目になるのだろう。今回の"How to Clean a Hippopotamus: A Look at Unusual Animal Partnerships"は、動物同士の共生について解説する。小学校の頃、教科書で出会った…

画家ピカソのパリ在住時代をフィクションとして描く"Paris in the Spring with Picasso"を読んで、一世紀昔に想いを馳せた。パリの街並み、時代背景、彼の交友関係……ところどころに飛び出すフランス語の会話がそれはもう洒落ている。舞台と時間はだれにも平…

息子が「おもしろかったよ」と言っていた絵本は、おなじみ赤いめんどりのお話をユダヤ教のお祭りにからめている。麦の種まき、収穫にパン作り……友だちは誰も手伝ってくれず、赤いめんどりはせっせと仕事に精を出した。高校生をおもしろがらせたのは、きっと…

"Sit-In (Jane Addams Honor Book (Awards))"は１９６０年２月１日、ノースカロライナ州グリーンズボローのワーズワース・デパートメントストアで始まった公民権運動を描く。 この日、デイヴィッド、ジョセフ、フランクリン、イーゼルの黒人大学生４人は、人…

"I Want to be Free"は、奴隷からの逃走を描く詩なのだけれど、もとはキップリングの小説『キム』を介した、仏陀の弟子アナンダの物語という。背景に合わせて言葉を変えた再話ということで、がぜんもとのストーリーに興味が湧いた。 逃走は常に死と隣り合わ…