2006-06-01から1ヶ月間の記事一覧

Sleepy Boy

『Sleepy Boy (Richard Jackson Books (Atheneum Hardcover))』は、夜を迎えなかなか寝付けない男の子と傍らに寄り添うお父さんのひとときを描く絵本。やわらかい灯に包まれた坊やの寝顔があまりにも可憐で、手にとらずにいられなかった。 この子は今日、動…

もぐらのバイオリン

アート絵本と同じように、音楽をテーマとする絵本に目がありません。自分自身、歌うこと、弾くこと、聴くこと、どれもが好きな領域です。ピアノを習っていたことが手伝い、とりわけクラシック音楽といえば好んでピアノ曲を聴いていました。ところが、息子が…

CARNIVAL OF THE ANIMALS 動物の謝肉祭

表紙に一目ぼれして思わず手に取った。『Carnival of the Animals with CD: Poems Inspired by Saint-Saëns' Music』は、サン-サーンス(1835-1921)「動物の謝肉祭」のイメージに合わせた詩14編が組曲とともに紹介される絵本である。モザイクのようにデフォ…

Miss Bridie Chose a Shovel

『Miss Bridie Chose a Shovel』(邦訳『ブライディさんのシャベル』)は、1本のシャベルを通してヨーロッパ移民の開拓生活を伝える絵本である。 若きブライディさんは、チャイム時計や陶器を選ばず、1本のシャベルを持って米国に旅立った。新天地での生活…

たからもの The Treasure

『たからもの』は、英国に古くから伝わる宝探しのお話です。宝探しと言っても、それは「物」ではなく「心」のたからものに通じています。絵本に描かれる「たからもの」とはいったい何なのか。貧しいひとりの男アイザックの見た夢が、たからものを求めた旅に…

MEI LI 1939年

『Mei Li』は、1930年代の中国を垣間見ることのできる歴史的価値の高い絵本である。作者である画家トーマス・ハンドフォース(1897-1948)は文学・芸術など教養分野で優れた実績を残した人に贈られるグッゲンハイム奨学金を受け1931年、極東研究のため中国・…

それは ひ・み・つ

『それは ひ・み・つ (世界の絵本(新))』の主人公は、小さなねずみくんです。ある日、きれいな、真っ赤なりんごを見つけ、「ぼくだけの ひみつに しようっと……」と、こっそり土の中に埋めました。そこに次々と動物たちがやってきて、何を隠したのか尋ねます…

egg drop 空を飛んでみたかったたまごのお話

たまごは空に憧れていた。ふと見上げると目に入る鳥、風船、飛行機、羽虫、ヘリコプターやこうもり、雲……。うらやましくてしかたがない。ひよこたちに囲まれて、めんどり母さんが打ち明ける。「たまごは まだ子どもでね。よく わかっていなかったのよ。おし…

The Adventures of the Dish and the Spoon おさらとおさじの大ぼうけん

「Hey Diddle Diddle/The cat and the fiddle」で始まる英国童謡は、わたしが最初に覚えたマザーグースの歌である。息子が赤ちゃんの頃、「Wee Sing, Mother Goose」のテープを聴きながら童謡絵本を開いては歌っていた。だからミニ・グレイの新作『The Adven…