2006-08-01から1ヶ月間の記事一覧

Seven for a Secret おじいちゃんとルビーの往復書簡

手紙という行為は、人にとり特別な営みである。紙とペンを用い心をしたためた時間と空間が、そっと文字の影から顔をのぞかせるのだから。 田舎のおじいちゃんと都会で暮らす孫むすめルビーの往復書簡からなる絵本『Seven for a Secret』は、淋しさと希望を豊…

心の通う往復書簡

Crossing Bok Chitto ボク・チットー川を越えて

「ボク・チットーと呼ばれる、ミシシッピ州を横切る川があります。南北戦争よりも前、さらにはチェロキー族が故郷を追われた涙の旅路事件*1よりも前から、ボク・チットー川は二つの土地をへだてる境界線でした。川のこちら側は、北米先住民族の土地です。向…

チョクトー族の少女マーサ・トムと黒人少年モーの友情物語

ちゃんと たべなさい

デイジーのお豆ぎらいを、お母さんがどう対処したか。親の知恵を描く「好き嫌い絵本」が多い中、『ちゃんとたべなさい (世界の絵本コレクション)』(原書『Eat Your Peas (Daisy Books)』)は視点がとてもユニークだ。「おまめ、だいきらい!」と主張するデ…

子は親の鏡

かえるくんとがまくんの「なくしたボタン」と「すいえい」

クロコダイル・クリーク*1のブック・フレンズ、かえるくんとがまくんに娘は心底魅せられている。コンサートに行くのもいっしょ、ティーパーティごっこもいっしょ。彼らの可愛らしさは容姿に加え「子どもが手にして抱きしめるのに、ほどよい大きさ」というこ…

We Love がまくんとかえるくん

Hooray for Fish! それいけ さかなくん!

『それゆけ!さかなくん! (L.カズンズの絵本)』(原書『Hooray for Fish!』)は、娘の帰国後いっしょに読んだ日本語絵本第一号である。いろいろなお魚の形容が愉快で、大好きな作品だ。日本語と英語併記なので、その表現感覚を同時に味わえるところがいいな、…

On the Night You Were Born あなたのうまれた夜に

久々に娘と添い寝。寝顔を見つめると、まだピンクのぷっくらほっぺは赤ちゃんのときのままであることに気づく。じんわりと、赤くて丸くて小ちゃかった時代の感じがよみがえった。生まれた夜のことも。子どもたちとの対面は、一生のうちで一等尊い時間。どん…

Sally Jean, the Bicycle Queen サリー・ジーンは じてんしゃクイーン

赤ちゃんのときはお母さんの自転車の荷台、二歳になって三輪車、四歳での補助輪走行を経て、五歳で自転車に乗れるようになったサリー・ジーン。その後、自転車の座席を高くして八歳までずっと愛車「フラッシュ」に乗っていたけれど、ついに小さすぎて支障を…

自転車大好き少女のお話

SEA HORSE:The Shyest Fish in the Sea タツノオトシゴ ひっそりくらすなぞの魚

タツノオトシゴ――なんて不思議な生き物なんだろう。容姿も名前も一度目にしたら忘れられない非日常性を持ち合わせ、一瞬作り物じゃないかと疑ってしまうような存在。謎に包まれた魚――魚なのである!――は、生態もとびきりユニークだ。エリック・カールの『Mis…

謎のお魚 タツノオトシゴ

SNOW WHITE AND THE SEVEN DWARFS 1939年オナー しらゆきひめと七人の小人たち

原書でなく内田莉莎子さん訳の『しらゆきひめと七人の小人たち (世界傑作童話シリーズ)』を読んだ。文字が多く小さな子ども向けではないけれど、おもしろい表現がたくさんあり愉快だった。グリム版というより、米国中西部版という感じかな。ガアグのモノクロ…

心情表現にご注目