2009-03-01から1ヶ月間の記事一覧
父と娘による合作『Chicken Little』。鳥たちのキョロキョロ目玉が、オトボケムードをたっぷり提供してくれる。目玉の存在だけで、空からドングリが落ちてきただけなのに「空が落っこちる!」と慌てふためく鳥たちのキャラクターを演じてもいるだろう。大胆…
当校というより、これは当地公立小学校全域での方向転換について。米国の教育は歴史の中で常に振り子のような変動を見せていて、「クリエイティブ・アート志向、楽しい授業、けれどもテスト結果が出せずにいた流れ」から現在は「基礎力、土台作りのドリル中…
自然や季節をたたえる詩は、数多くある。自然詠は基本中の基本テーマなので視点の瑞々しさが多々問われる中、『All in a Day』に強く惹かれた理由は、題材が当地の自然だったからだろうか。知らず知らずのうちに見入り、読み入り、太陽の温もりや土の湿りぐ…
毎日、ぼくたちと遊んでくれたトミーが、今朝はやってこない。どうしたのかな。…「ようちえん」っていうところに行ったんだって。夕方になり、トミーが帰ってきた。そこがどんなに楽しいところで、そこでどんなことを学んだのか。トミーはいつものように、親…
甘酸っぱい香りのアップルパイは、大地の恵みとパパの愛情がたっぷり焼き込まれた一品。自然のいつくしみに感謝しながら、ひとくち、ふたくち。りんごの果肉色のような表紙の色調を目にするだけで、すでにアップルパイが食べたくなっているのだから、ページ…
都会に出てきたくまのアディス。街はあまりにも巨大で騒がしく、ふと、彼は何のために街にやってきたのか忘れてしまった。そこで出会う人々の喜怒哀楽は、クリスマスを迎え、一年を振りかえるのにもお似合いの光景だ。ひとりぼっちの街角には、アディスと同…
『Big Smelly Bear』は、不精で体も洗わない面倒くさがりや、おおくまさんの物語。あまりにも汚れているので、どこからともなく匂いもぷう〜ん。そんなこんなで森の動物たちから避けられていたけれど、本人はまったく気にしていなかった。でもある日、背中が…
むちゃくちゃ楽しい絵本に出会った。ちょうど探していたのだ、たくさんの人々がそれぞれに悲喜こもごもの暮らしを送る、『In the Town All Year 'Round』のような絵本。どこで、誰が、何をしているか――絵を見ながらの対話にぴったりだ。探しものゲームもでき…
最新作は『Birds』。画風が違うと思ったら、奥さんが絵を担当していた。太い黒の輪郭線を生かしながら厚く塗りこむスタイルは、けっこう好みかもしれない。 絵本は、たくさんの鳥の姿を紹介する。黄色い鳥、青い鳥、茶色の鳥、赤い鳥、緑の鳥。大きさも背高…
ここのところ夕べの日課は、家族みんなで猫たちと時間を過ごすこと。夕食が済むと、誰か誰かがこねこのギャビィ、太っちょ王さまデュークと遊び始めます。番犬スクーターのかたわらで。 ふわふわ、もじゃもじゃの毛が気持ちよくて、みんなで撫でてばかりです…
タイトルの「日本語」を「言葉」に置き換えて、「言葉を大切にする」というのが、本来のメッセージ。どんなに時代の潮流にもまれて変化を来たしていても、時間の堆積を経て生まれたものを意図的に、そう簡単に捨ててしまっては、過去の人々の生を踏みにじる…
クリスマスの頃に読んでいた『The Snow Day』。原書は『ゆきがやんだら (学研おはなし絵本)』で、今から約3年前に出版されている。 雪の降る一日の描写は、静かで美しい。それゆえ英訳されたわけだけれど、わたしには孤独感の描かれた絵本という印象が強かっ…
タイトルは、'Happy Birthday Dr. Seuss! "――。
昨日レビューを書いた『Hurry Up and Slow Down』*1の邦訳『ねえ、ほんよんで!』が出ていました。日本語版は、もっとも読者を引きつける最後のシーンを表紙とタイトルに持ってきた模様です。この場面、心がすうっと休まり、ぴか一すてきです。ねえ、ほんよん…
『ヘンリー、フィッチバーグへいく (世界傑作絵本シリーズ)』(原書"Henry Hikes to Fitchburg")は、思想家でナチュラリストのヘンリー・デイビッド・ソロー著「ウォールデン-森の生活-」を基に、人間と自然のかかわりを描いた絵本です。登場するくまのヘン…