2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧
"Dinothesaurus"――こういう詩の絵本、夏休みにぴったりだ。表紙からすでに誘っているじゃないか。見開きごとに恐竜の個性が詠われ、恐竜大好きっ子にはたまらない。そうでない大人でさえ、有史前の悠久のときに想いを馳せている。 フロリアンの詩と絵に、な…
"My Uncle Emily"を読み、詩人エミリー・ディキンソンの人間味あふれる一面に触れることができた。家族以外に姿を見せることがなかったというディキンソン。隠遁生活に近い日々を送っていた彼女の存在は、とてもミステリアスに映る。白いドレスをまとい、言…
娘に薦められた"The Dunderheads"が、すごく面白かった。作者が作者ということもあり、納得の構成と展開。 権威を振りかざす担任教師ミス・ブレイクボーン――そのまま「骨砕(ホネクダキ)先生」の訳がぴったりの強烈な風貌――に立ち向かう個性的な10人組のお…
ケビン・ヘンキースの"Birds"が『とりとわたし』として出たようです。この絵本、すてきだったなあ。ことりへの想いがとても詩的に描かれていました。素直で美しい視点に引き付けられました。 邦訳は書影がないので、とりあえず原書で。(日本語版の書影に変…
夏休みが始まり、やっほー! 午前中、歩いてジムへ向かう。学校勤務のあるときは時間に追われるので、ほんの徒歩30分ですむところを車で通っていた。時間に追われる生活は、ほんとうに罪作りだ。 "OK Go"は、歩け歩けを推進する絵本。最後の「歩いていこうよ…
英国の絵本だろうなあと思いながら手にした"Sneaky Weasel"。わはは、案の定、ブラックユーモアがぴりりと効いていて面白かった。自他ともに認める意地悪で嫌味たっぷりのイタチがパーティを開くのだが、いつもいじめられている動物たちは誰も出かけなかった…
新緑がまぶしく揺れ出す6月は、初夏のみずみずしさに包まれる。庭のさくらんぼが美味しそうに色づいてきて、小鳥のさえずりとともに夏のはじまりを告げるのだ。爽快に広がる空を見上げての、この開放感。夏だよー。今日で学校のチューターもおしまい。裏庭が…
id:p_shirokumaさんの“あんた、ママのお人形で終わるぜ?” - シロクマの屑籠を読み、これ、うちの小学校でも見当たるケースだなあと思った。この場合は、母親を教師に置き換えるわけだけど。これは、まさに新人教師の一人の指導法そのものである。 3年前から…
"The Little Red Fish"の邦訳『きんぎょ』が出ました。日本の抒情に通じる摩訶不思議な世界が描かれるので、原書より日本語のほうがしっくりくるのではと感じています。 わたしはスイミーに出てくるような「ちいさなあかいさかな」のイメージを抱いていまし…
それにしても主人のクラス、うるさかった。まわりとのコミュニケーションが盛んになる中学年だからということもあるだろうけれど、きっちり先生の言われたとおりに動きおしゃべりしない低学年のクラスと比較すると、これでいいのかと疑問に感じてしまうのだ…
Lingrのサービスが終了したようなので、おしゃべり絵本手帖タグを徒然代わりに。 幼稚園のライターズ・ワークショップを覗き、子どもたちの作文の質、量の変化に感嘆した。明らかに過去と違う。というか、比較的お行儀のいいクラス運営が可能となった今年の…
イラストも言葉も、かわいいし、はずんでいるし、最高! 韻を踏みながら、小さな子どもたちに本の扱い方を諭す絵本"Read It, Don't Eat It!"は、本好きさんには胸キュンの絵本だと思う。 左ページに堂々と、一文ずつ本の取り扱い方が記され、右ページには可…
個人的にカエルさんのほうが好きだけれど、こちら"Butterflies and Moths (Nic Bishop)"も息を呑むクローズアップ写真が満載だ。蝶々や蛾の表情までもが見えるような距離感に迫ると、自然界の魔力に包まれるというか。小さな息づかいが伝わる中、何とも不思…
お気に入り絵本の分類を考えてみた。(フィクションに限る) 圧倒的な絵の力がみなぎる絵本、アートが独特の世界を構築する絵本……「絵」に魅せられる絵本 深く静かなマジカルワールドに誘われる絵本……「ことば」と「お話」に魅力の秘密が宿る絵本 絵本といっ…
これは、なかなかおもしろい。"A Book"を読み終えたら、きっと誰もが自分だけのお話作りに取り組みたくなるだろう。 ここの登場人物たちは本が閉じられている限り闇の中で眠り、読者がページを開いた時点で新しい朝を迎えるという。われわれ読者が本を覗き込…
絵本から登場人物たちが飛び出してきたら、どんなにすてきなことでしょう。英国出版大手ハーパー・コリンズ社に属する4th Estateの25周年を記念したビデオを観て、ふとイメージを浮かべました。 →Book Reviews, Bestselling Books & Publishing Business New…
『はなおとこ』の原書"The Adventures of a Nose"は、息子が小学生のときにおもしろがっていた絵本だ。ものめずらしそうにページをめくっていた記憶がある。確か「鼻」が自分の居場所を探す展開だったか。各ページにいろいろな顔が登場して、ちょっとシュー…