2006-01-01から1年間の記事一覧
id:yamada5さんのブログで本日(二十六日)、訃報を知った。 渡辺さんの作品には、息子といっしょに絵本を読み始めて出会った。それは「この作品も、あの作品も、この訳者さんだったのだ!」という発見の連続で、なじみのある表紙がガーランドのように連なっ…
アンデルセンのようによく知られたお話は、日本語で読むとじんと心に染みる。と言っても『すずの兵隊さん (児童図書館・絵本の部屋)』(原書『The Steadfast Tin Soldier』)は記憶がおぼろで、終幕のいきさつを忘れてしまっていた。母が好きでよく読んでも…
このユニークなお話の設定は、いったいどうやって生まれたのだろう。『The Shivers in the Fridge』の舞台は、とある冷蔵庫の中である。ここにやってきて以来、ブルブール一家は毎日ぶるぶる震えながらの生活を送っている。白い息を吐く表紙の一家を見ただけ…
近所のおばあちゃんに頼まれ、クリスマスの飾り付けを手伝った。わあ、早い……と思ったけれど、サンクスギビングの翌日から実質ホリデーシーズンが始まることを考えると、今のうちにできることは済ませておくのがいいのかもしれない。おばあちゃんのご自慢は…
『Jazz (Coretta Scott King Illustrator Honor Books)』には誕生の背景、歴史、スタイルなど、あらゆる角度からジャズを描く詩が紹介される。前書きの解説が興味深い。即興とリズムがジャズの命だが、それに至った過程を、アフリカ系とヨーロッパ系音楽の融…
梅田望夫さんのコラムを読んで。特に教育について言及されていたので感想を記しておこうと思った。 新しい情報環境をイメージしたときに重要性をぐんと増す能力とは何なのか。たとえば、能動的に情報を探索する能力、知を構造化する能力、断片的な情報から物…
飽食の時代の「ごちそう」って何だろう。娘と『おたのしみ!おたのしみ!』を読み考えた。すごく食べたいものがあり、楽しみ待ち焦がれる経験が最近あったかな……と振り返る。味覚の乏しさからか、旬を味わう季節感の欠如からか、悲しいかな、わたしに食感への…
二人のマリーということで、聖母マリアとマグダラのマリア二人のことかと思っていた。でもこのマリーは南仏の町サント=マリー=ド=ラ=メール(Saintes-Maries-de-la-Mer)に伝わる聖女のことだった。『The Miraculous Tale of the Two Saints Maries』には…
この秋最初のパンプキンパイを焼く。子どもたちの帰宅を待って、三人でおやつに食べた。しっとり甘くて美味しいね。シナモンやジンジャー、クローヴの香りが、深まる秋をあらためて教えてくれた。こうして収穫感謝の準備に取りかかり、あっという間にホリデ…
煮物・煮豆の季節到来。寒い季節、ぐつぐつ鍋の立てる音と湯気の匂いは、ほっと心の和みになる。選ぶ絵本も、やっぱり食べ物テーマの絵本が多い。 待ってましたと言わんばかりにお出ましなのが『がんばれ じゃがいも (世界の絵本)』(原書『Brave Potatoes (…
『One Green Apple』を娘と読む。中東から米国に移民してきた少女ファラの気持ちを描く絵本である。 ファラの米国学校生活二日目は、クラスのみんなといっしょにりんご農園を訪ねる校外学習だった。事情があり祖国を後にしてやって来た新しい国で、文化の違…
子どもは、食べ物のお話が大好きである。ストーリーは平坦でも、食事風景や好きな食べ物が出てくるだけで何だか夢中になっている。「食べたくなっちゃった」とか言いながら。ご多分にもれず、『The Runaway Dinner』もそうだった。 男の子が食べようとした夕…
詩+遊び+科学=『Butterfly Eyes and Other Secrets of the Meadow』。本作品は同じ趣向の前作『Song of the Water Boatman and Other Pond Poems (Bccb Blue Ribbon Nonfiction Book Award (Awards))』*1と比べ、小さな子ども向けに一段と遊び心の加味さ…
十一月に入り、各教室・廊下ブルテンボードの飾りつけも変わる。一年生のクラスに、十一日「復員軍人の日(Veterans Day)」に合わせ、赤いケシの花をあしらった紙皿工作と一編の詩が掲げてあった。流した血の色を象徴するケシは、国境と時を越え、国籍・歴…
ふだんはただの「モノ」でしかない物が、動物キャラクターに姿を変えて動き出した。言葉の魔術師プレラツキーの新しい詩集絵本『Behold the Bold Umbrellaphant: And Other Poems』は、動物化したモノが洒落た詩とコラージュで表現される楽しい作品である。…
「レインボー・マジック」シリーズの存在を知り、娘にぴったり!と『Rainbow Magic: Ruby the Red Fairy: The Rainbow Fairies Book 1』(邦訳『赤の妖精ルビー (レインボーマジック 1)』)に飛びついた。虹の妖精のお話と聞いて、ときめかない女の子はいな…
昨日、娘のクラスでオータム・リーヴス作りを紹介した。あらかじめ、『Autumn Leaves』*1と実物を参考に、メイプル、ドッグウッド、スウィートガム、レッド・オーク4種類の葉っぱ型テンプレートを用意しておき、子どもたちは白画用紙に型をトレースして色を…