2010-12-01から1ヶ月間の記事一覧

Don't Want to Go! シャーリー・ヒューズの魅力

子どもをよく知る人であれば、シャーリー・ヒューズの絵本は、うなずきっぱなし、うなりっぱなしの絵本となる。"Don't Want to Go!"も、やはりそうだった。 お母さんが、流感で寝込んでしまった。仕事に出かける寸前のお父さんは、小さなリリーを友人のメラ…

アドベント絵本 第14日目

本日はわたしが包みを開いた。中からは"The Princess and the Pea"がお目見え。ファブリック多用のこの写真アートが大好き! ひとりでむふむふしていた。 →クリスマス絵本24冊を布で包むアドベントの過ごし方 - 絵本手帖 The Princess and the Pea作者: La…

Summer Birds: The Butterflies of Maria Merian 蝶々を愛でた女の子

昆虫や爬虫類は、少なくともわたしの知る限りの米国で、子どもたちに人気のある生き物だ。身近な存在であるし、とくに小さな子どもたちの友だちといったような印象がある。虫関連のハロウィン・コスチュームといえば、赤ちゃんや幼児たちの代名詞みたいなも…

アドベント絵本 第13日目

本日は"The Red Book (Caldecott Honor Book)"と"Auggie Wren's Christmas Story"の2冊。前者はクリスマス絵本ではないけれど、今ごろの季節がお似合い。赤い表紙もかわいい。後者は、就寝前の読書。 →クリスマス絵本24冊を布で包むアドベントの過ごし方 …

Beaver is Lost ビーバーまいごになる

エリシャ・クーパーは、最近のりに乗っている感じ。作風が地味なので、過去の絵本は個人的に大喜びで飛びつくタイプではなかった。でも不思議なことに、なんとなく独特の水彩画がいつも印象に残っていて、「ああ、あの絵本」とすぐに思い出せたりする。 この…

アドベント絵本 第12日目

本日は『まりーちゃんのくりすます (岩波の子どもの本 (15))』と"Mog's Christmas"の2冊。忙しくてバタバタしていたけれど、娘はモグの絵本をひとりで楽しんだ。まりーちゃんは、わたしの思い出として。 →クリスマス絵本24冊を布で包むアドベントの過ごし…

Of Thee I Sing: A Letter to My Daughters オバマ大統領の書いた絵本

"Of Thee I Sing: A Letter to My Daughters"の作者は、第44代アメリカ合衆国大統領のバラク・オバマ大統領。ふたりの娘に問いかける形式で、世界を変えた13人のアメリカ人に敬意を表す。 紹介される13人は、画家ジョージア・オキーフ、物理学者アルバ…

Old Bear and His Cub おじいちゃんぐまとこぐま

人生を長く歩んできた姿と、これから長く歩もうとする姿。"Old Bear and His Cub (Little Cub)"には、そんな2匹のくまの愛情がたっぷりと描かれる。 おじいちゃんぐまは、こぐまを心から愛している。だから、こぐまは最初は抗ってみても、おじいちゃんの真…

アドベント絵本 第11日目

本日は、"Santa's Last Present"。就寝前に、娘がひとりで読んだ。「このお話、覚えてる。汽車のおもちゃのお話でしょ」と言いながらページを開いた。 →クリスマス絵本24冊を布で包むアドベントの過ごし方 - 絵本手帖 Santa's Last Present作者: Marie-Aud…

今年のクリスマス・プレゼント

おとといアマゾンに注文した書籍がすでに届き、驚いた。送料無料を選んだのでふだんならもう少し時間をかけて届くところが、さすがにホリデー・シーズンとありスピード発送だった。 息子には「ハンガー・ゲーム」シリーズ3部作の最終巻"Mockingjay (The Hun…

アドベント絵本 第10日目

本日の絵本は『ボビーとそらいろのヨット―カエデのもりのものがたり』。秋から冬の森を舞台にした、すてきなお話です。贈り物の意味を考えるときに読みたい絵本。 わたしは娘の「あっ、今日のプレゼント開けなくちゃ」という表現が大好き。「贈り物」と言い…

Country Road ABC: An Illustrated Journey through America's farmland 農場の四季を背景にしたABC絵本

"Country Road ABC: An Illustrated Journey Through America's Farmland"は、AからZまで26字のアルファベットを追いながら、米国の農場風景を楽しむ絵本。実在する農場、農村から資料を集め、まとめた大作だ。 個人的に内陸部の保守文化は敬遠したい傾…

新刊絵本『ブロントリーナ』

先日感想を記した"Brontorina"の邦訳が出ていた。元気のもらえる絵本なので、人気が出そう。邦題のフォント・デザインも、原書と同様にかわいくて洒落ている。マダム・セシルのキャラクターがよいです。 →Brontorina ブロントリーナはバレリーナ - 絵本手帖 …

Spork 異文化間に生きる

おかあさんはスプーン、おとうさんはフォーク。そして生まれたのがぼく、スポーク。丸すぎるからとフォークの仲間に入れてもらえず、尖がりすぎているからとスプーンの仲間に入れてもらえず、スポークの気持ちは沈んでいる。キッチンの世界は、同属意識が強…

Mr. Elephanter ほんわか、Mr.エレファンター

"Mr. Elephanter"は、ほんわか、ほのぼの系の小作品。エレファンターおじさんが、ゾウのナーシング・スクールで子ゾウ3匹のお世話をする。 何ということもない日常の光景でも、対象が丸くてコロコロした小さなゾウになると世界は違って見えてくる。おじさん…

アドベント絵本 第9日目

今週はさまざまな行事があり、準備に追われていた娘はアドベント絵本のことを忘れていた。よってふたたび、絵本はわたしが選ぶ。包みには、"Biscuit Bear"が入っていた。これもわたしのお気に入り! お菓子がたくさん登場するので、クリスマス期に読みたいな…

アドベント絵本 第8日目

本日は、『カクレンボ・ジャクソン』。はずかしがりやカクレンボ・ジャクソンのお話がふたたび読めてよかった。キラキラしたお城の雰囲気が、クリスマスのきらめきにも思えた。いつまでも控えめなカクレンボ・ジャクソンが大好き。 日課読み合わせの練習など…

Binky to the Rescue ねこ好きさんへの贈りもの

"Binky to the Rescue (A Binky Adventure)"は、猫好きさんにはたまらないコミカルな絵本だ。ふとっちょ猫ビンキーの生態をコマ割りで描写するコミックのような作品なのだけれど、作風は絵本そのもの。主人公のビンキーがときに擬人化され、独自の冒険に挑む…

アドベント絵本 第7日目

本日は『それは ひ・み・つ (世界の絵本(新))』。これも赤い表紙が印象的だったので選書した。リンゴはクリスマスの飾りにもあるし、わくわく何かを期待する気持ちがアドベントに向いているとも思えた。何度読んでも、「ひ・み・つ」がかわいい! →クリスマ…

Pirate's Guide to First Grade 1年生が海賊語で話すとどうなるか

海賊語は独特の迫力があって楽しい。でも実際に目の前で話されると、すでに雰囲気から圧倒されてしまい、わたしなど何もできなくなってしまうけれど。"A Pirate's Guide to First Grade"は、1年生の男の子が海賊になって――というか、海賊が1年生になって?…

Good Dog, Aggie 犬を知っている人にじんとくる

"Good Dog, Aggie (Aggie and Ben)"は地味だけれども、なかなかよい読本だ。犬を飼った経験のある人なら、共感の嵐が吹き荒れそう。「かわいいのだけれど、まったく言うことを聞いてくれないワンちゃん」の飼い主さんが、うんうんとうなずきながらページをめ…

Hip Hop Dog ヒップ・ホップのリズムにのって

ヒップ・ホップのようなリズムが軽快に感じられていたのは、はるか昔のこと。現在はもうクラシック・ピアノしか聴きたくない耳になっている。でも、こんなかわいいワンちゃんのヒップ・ホップなら文字から楽しんでいいかなと思えた。"Hip Hop Dog"では、ヒッ…

Bink & Gollie ユカイでハート・ウォーミングなフレンドシップ・ストーリー

どういういきさつでディカミロ&マクギー・コンビが生まれたのか知らないけれど、"Bink and Gollie"を読んで確かに今までにないシリーズが生まれた印象を持った。でも、但し書きがたくさん付く。 まず、これが低学年向き読本とは思えない。時代設定は、あき…

風をつかまえた少年 

学校の帰り道、娘は毎日うれしかったことを報告してくれる。この日は、アフリカで風力発電を作った青年が学校訪問をしてくれたと言っていた。たったひとりで環境にやさしい風車を作り、地域を救った事実を興奮気味に話してくれた。尊い経験を聞く機会を与え…

アドベント絵本 第6日目

本日の絵本は『くんちゃんとふゆのパーティー』。娘が一番好きと言っていた花柄の包みに入っていた。 くんちゃんのパーティ準備を見て、もちろん娘は自分も同じようにパーティをするとのこと。今年は果樹の剪定をしっかりしたこともあり、4本すべてがすっか…

アドベント絵本 第5日目

聖ニコラス日の礼拝から戻り、娘がすぐに包みを開けたいと言う。ほんとうなら、スキーから帰ってくる衆を待っていたいなと思ったのだけれど。 こうして取り出した絵本は『ちっちゃな サンタさん』! 本日のテーマにぴったりではないか。これは、夢なのか、空…

Snook Alone 孤独とのたたかい

"Snook Alone"は、ふたつの世界を味わう不思議な絵本だった。 スヌークはテリア犬。南の島の修道院で、ジェイコブ修道士といっしょにのんびりと暮らしていた。ところがある日、島々のサンゴ礁調査をしていたジェイコブ修道士とともに嵐に出会う。修道士は近…

アドベント絵本 第4日目

夕方早々に娘が包みを開きたがった。本日の絵本は『つばさをちょうだい』で、わたしのお気に入り! 夏の絵本だけれど、天使が出てくるので選んでみたのだ。 天使が、お絵描きをしている男の子に「いつもと違う翼をつけてちょうだい」とリクエストをする。男…

Dave the Potter: Artist, Poet, Slave 奴隷の陶芸家デイブ

表紙を見て震えのくる絵本というのがたまにあり、"Dave the Potter (Carter G Woodson Honor Book (Awards))"はまさにその種の一冊だった。陶芸家で詩人で奴隷――この三言を耳にするだけですでに、思考は二百年前の米国南部に飛んでいる。 奴隷は読み書き禁止…

アドベント絵本 第3日目

学校の帰り道。娘がぴょんぴょん飛び跳ねながら、うれしいな! うれしいな!を連発していた。理由は、「週末になったこと」「ブック・フェアで本を買ったこと」「クリスマスが近づいていること」、そして「今日も、本の包みを開くこと!」と言う。これって、…