art
モデム故障が判明したので、カード書きに没頭。久々に図書館に行き、絵本を借りてきた。 三浦太郎さんの『Tools』という絵本に魅せられる。オリジナルは、イタリアで出版された一冊という。一見デザインの走りすぎという印象があったのだけど、ページを開く…
本って、運命の出会いを直感する瞬間があるものだけれど、アンホルトによる画家絵本シリーズに出会ったときがまさにそうだった。それは、どかんと強烈なものではなくて、漣が寄せるような静かな出会い――。好きな画家の生涯を彼らの作品(実写)といっしょに…
アナグマさんのお店で、すてきな空色のヨットを見つけたカワウソのボビー。ヨットへの憧憬が、ショーウィンドウから中を覗き込む表情に満ちている。わたしが子どもの頃、憧れたものは? そうそう思い出した。三十六色のマーカーペンとか四十八色のクレヨンと…
ふだんはただの「モノ」でしかない物が、動物キャラクターに姿を変えて動き出した。言葉の魔術師プレラツキーの新しい詩集絵本『Behold the Bold Umbrellaphant: And Other Poems』は、動物化したモノが洒落た詩とコラージュで表現される楽しい作品である。…
『Through Georgia's Eyes』を読んでみようと思ったきっかけは、地元在住画家による絵本だからという理由だった。でも絵本を閉じたときには、絵よりも言葉の語りかけに魅せられていた。 描かれるのは、ウィスコンシン州の農場で育ったオキーフが画家を目指し…
日常生活で興味の湧くことがあるとしたら、それは主に「how=どんな風に、どんな感じ」で表せるものになる。つまり5W1Hのうち、残りの「when=いつ、where=どこで、who=誰が、what=何を、why=何故」にあたる部分にまったく興味がない。5Wは唯一、…
1・2年生の算数に「ダブルス」という考え方があります。1+1=2、2+2=4、3+3=6、4+4=8……というように、数字を2倍にして計算するという発想法。要するに掛け算の2の段なのですが、これを勉強するのに、担任の先生が民話『Two of Everyt…
新学年スタートから一週間が過ぎ、夏休みぼけもすっかり抜けました。新しい友だちに出会ったことだろうと思い、娘に『Little Blue and Little Yellow』を読みました。邦訳『あおくんときいろちゃん (至光社国際版絵本)』はわたしの子ども時代の愛読絵本。出…
日本経由でないと出会うのが難しいヨーロッパの絵本には、米国では味わえない風味があり、即飛びついてしまう傾向がある。『おしゃべりねこの グリグリグロシャ (講談社の翻訳絵本)』もそんなムードで手にした一冊だが、味わいは意外にも少々和風モダン。絵…
息子が小さな頃、親子で夢中になった絵本がある。街の風景からアルファベットの形を探し出す『Alphabet City (Caldecott Honor Book)』は、文字を覚え始めた彼にぴったりだった。丹精に写実的なイラストを描いたあの画家は、今どうしているだろう。以来街中…
先日、コルデコット賞オナー受賞作『Seven Simeons』*1を読んだとき、表裏中表紙に描かれた一筆書きの繊細なイラストに魅せられた。息子が興味を示し、そういえばわたしも子どもの頃、夢中になった時期があったなあ、なんて思っていたら書店でおもしろい新刊…
個人的にアートブック、あるいはアート色の濃い絵本に目がない。多分このブログのカテゴリーで、量的に1番多いのではと思うほど。こればかりは見た瞬間に購入が決まっている。 『The Art Book for Children』は、時代もメディアもさまざまなアーティスト30…
草の香りが心地よい季節、揺れる木洩れ日に包まれると思わず時間に取り残された気持ちになる。夏の開放感がほんの一歩手前までやってきて、学年末試験のシーズンだというのに、子どもたちの笑い声は1年のうちで最高のテンションを記録しているかもしれない…
この冬、英語版『The Little Match Girl』を手にして斬新な発想に感心していたら、さっそく邦訳『マッチ売りの少女』が出た。パステルの色見本みたいな表紙から「マッチ売りの少女」はおよそ程遠いイメージになるが、物語を知っている人が抽象、具象の入り混…
ため息がでるほど繊細で華麗でカラフル――。『An Egg Is Quiet』(邦訳『たまごのはなし―かしこくておしゃれでふしぎな、ちいさないのち』)は、鳥、爬虫類、両生類、昆虫、魚のたまごを美しい水彩画で紹介する、科学とアートがドッキングしたノンフィクショ…
春だから読みたいなという絵本がクレヴェンの『The Paper Princess Finds Her Way』。『Paper Princess』(邦訳『わたしのおひめさま』)、『The Paper Princess Flies Again: With Her Dog!』から成る、紙人形のおひめさま3部作の真ん中の1冊である。まだ…
かわいくてシンプル。一目でアマゾンカート行きとなった『Art』は、娘へのプレゼントにしようかなと思案している絵本。主人公の男の子アートくんが色鉛筆や水彩絵の具を使い創造のベーシックを見せる、身近な芸術称賛の絵本である。 色は赤、青、黄の三原色…
昨秋の発行以来、主人の誕生プレゼント第一候補だった書籍『The Elements of Style Illustrated』は、学生・社会人必携の英語語法書『The Elements of Style, Fourth Edition』にイラストが添えられた異色のアートブックである。もちろん内容そのものは文法…
週末読んだ絵本に『Can You Find It Outside?: Search and Discover for Young Art Lovers (Can You Find It S.)』――さしあたり「おそとでさがしてごらん?」という感じかな――があった。メトロポリタン美術館の絵本って、子どもも大人もアートを楽しめるよう…
娘といっしょに『Turn-Around, Upside-Down Alphabet Book (Ala Notable Children's Books. Younger Readers (Awards))』を開く。シンプルな発想のABC絵本なのだが、これが結構楽しめた。出てくるのは、1ページに1文字のアルファベット。黒を背景にした正…
お気に入りのアート絵本がある。ニューヨークのメトロポリタン美術館の出版するアート作品を題材にした幼児絵本である。最初に手にしたのが『Museum ABC (Metropolitan Museum of Art)』。娘のアルファベット学習はこの絵本から始まったと明言できるほどのお…
『Silent Night』(邦訳『サイレントナイト』)に魅せられて以来、サンディー・ターナーの名前はずっと気になっていた。だから今夏、書店で手にした『Cool Cat, Hot Dog』も、一目でお気に入りになった。 猫と犬の生態がターナーの手にかかると、スタイリッ…
『Doodler Doodling』を手にしたとき、娘の選書を侮ってはいけないと感じた。開いてみて、「わ〜お、これはなかなかいける」の感想を持つ。わたしの絵本の選び方といえば昔は徹底してテーマに沿っていたが、息子の成長とともに一通り絵本に触れればそれもあ…
娘の2回目のアート・キャンプが終わった。今回は、万華鏡やガラス細工の小さな置物、アクセサリー作りをした模様。万華鏡はちょうどポテトチップスが入っているような円柱を利用しての製作で、子どもたちの小さな手が太い筒を抱えながら不器用に回すしぐさ…
アート続きで『Seen Art?』を読む。シェスカ&スミス・コンビの最新作。算数の『Math Curse』(邦訳『算数の呪い (世界の絵本コレクション)』)、科学の『Science Verse (Golden Duck Awards. Picture Book (Awards))』に次いで登場したのはアート。3冊はど…
『てん』*1には続きがある。ということで、『Ish (Creatrilogy)』を読む。 「続き」と明らかには謳っていないのだけど、これを読むと「あ、これはあの男の子……」と前作のイメージが浮かんでくる。最後にワシテから「サインして」と頼まれた男の子が、(たぶ…
娘のアートキャンプが始まっている。4日間で1体のパペットを作るプログラムである。顔はペーパーマルシェ、体はフェルトのドレスという、参加している子どもの年齢を考えると結構本格的なパペット作りで、最後の日にはショーがある。これが楽しいのだ。 彼…
絵本は子どもの頃から大好きだったけれど、『ぼくのくれよん (講談社の創作絵本)』に出会ったときの衝撃は今でも忘れない。ページをめくるたびに思いも寄らないものが飛び出してきて、ビックリ箱のような絵本だと思った。後でこれを「ナンセンス」だと知る。…