christmas

ちっちゃな サンタさん

サンタさんは大きくて、プレゼントをたくさん持っているおじいさんだと思っていたのに、『ちっちゃな サンタさん』のサンタクロースさんはまったく違いました。ちっちゃくて、プレゼントも何も持っていなくて。びっくりした女の子マガーリは、どうしたと思い…

サンタクロースとぎんのくま

『サンタクロースとぎんのくま (世界傑作絵本シリーズ)』の魅力は、男の子マルチとぎんのくまの存在でしょう。 「まりは いもうとの モニカ、ぎんのくまは おにいさんの マルチにあげよう」――。サンタクロースからもらったプレゼントは、ぎんのくまとまり(…

わすれないでね サンタクロース

おにいちゃんとおねえちゃんにはプレゼントを残していったのに、どうしてぼくにはプレゼントをくれないの? まってよ、サンタクロースさん!……と言わんばかりに、よちよち歩きのあかちゃんがサンタさんのあとを追い、サンタの国を訪ねる文字なし絵本が『わす…

クリスマスものがたり

昨夕は子どもたちにせがまれて、パンプキン・パイを2つ焼きました。ということは、すでに収穫感謝の季節を迎えているのですね。七面鳥受難の日は、もう来週に迫っています。こうしてアドベントを迎え、クリスマスの準備に突入……。昨年の流れ方にも増して時間…

サンタさんへのてがみ

『サンタさんへのてがみ』(原書『Message For Santa』)と聞き、欲しいものリストを伝えるお手紙を書くお話かと思ったらまったくの見当違いだった。絵本では、サンタクロースさんが怖くて「ちょっと苦手〜」と感じている女の子が主人公。「あたしの おうち…

エリック・カールのアドベント・カレンダー

夏に購入していたアドベント・カレンダー『The World of Eric Carle(TM) Eric Carle's Dream Snow Pop-Up Advent Calendar』(絵本の邦訳は『ゆめのゆき』)を開く時期が近づき、ワクワク。中心にクリスマスツリーが立ち、ここに贈り物を下げていく趣向だ。…

人形たちのクリスマス

『人形たちのクリスマス―ターシャ・テューダークラシックコレクション』は、チューダー家の伝統であるお人形たちのクリスマス会を伝える絵本です。何か日本の雛祭りを想起させるお話でした。子どもの背よりも高い大きな人形の家は、さながら絢爛豪華な雛壇で…

もうすぐ ゆきのクリスマス

『もうすぐゆきのクリスマス―ターシャ・テューダークラシックコレクション』では、1830年代をもっとも愛しているというターシャ・チューダーが当時のクリスマスを伝えます。 絵本から伝わるのは、ビクトリア朝時代の風。英国が産業革命を完成させ海外進出を…

Stick Man ボウのぼうけん

はやばやとクリスマスの絵本を。そうと知って『Stick Man』を読んだわけではないけれど。 晴れ晴れとした春のある日、ジョギングに出たボウさんは犬にさらわれ、妻、子どもと離れ離れになってしまう。その後は――棒であるため――あちらこちらで拾われる数奇な…

パシフィック・ノースウェスト・バレエ団によるNutcracker絵本

親しい友人に『The Pacific Northwest Ballet Presents: Nutcracker』を教えてもらいました。センダックが舞台・衣装を担当した当地バレエ団のくるみ割り人形がそのまま堪能できます。地元出版社から2005年に出版されていたのですね。わたしが息子といっしょ…

We Three Kings 季節はずれの絵本レビュー 東方の博士を歌う絵本

顕現節なので、『We Three Kings』の紹介もまだ間に合うかな。「われらは ひがしの〜」で始まる聖歌を絵本化した一冊は、とにかくイラストレーションが豪華。3人の賢者は各自、馬、らくだ、象に乗り、眩い星に導かれながらベツレヘムを目指す。 歌詞を見開き…

Toot & Puddle Let it Snow 季節はずれの絵本レビュー トゥートとパドル2冊目のクリスマス絵本

シリーズ絵本で2冊クリスマス絵本が出るというのも特異なことなのではないか。『Toot & Puddle: Let It Snow』のページをめくり、これだけ続いていたらネタにも困るのでは……なんて感じていたが、それはとんでもなく余計なお世話だった。そんな心配はおかまい…

The Nutcracker 少女向きくるみ割り人形

タイトルに「少女向き」と書いた理由は、『The Nutcracker』の画風が一昔前の少女漫画のように見えたから。とても評判の高いくるみ割り人形の絵本だったので、ツヴェルガー*1やセンダックの作品を思い起こしながら手にして、確かに子ども向けとしては最高の…

N is for Navidad 南米のラス・ポサダスを紹介するABC絵本

『N is for Navidad』は、12月16日に始まり1月6日に終る南米のNavidad(=クリスマス)を紹介するABC絵本。行事はマリアとヨセフに扮した2人を先頭にロウソクを灯して行進し、彼らがたどったベツレヘムへの旅路を再現するというもので、24日のクリスマス・イ…

ふたりは クリスマスで

クリスマス絵本といえば、降誕物語かリアル・ライフが舞台のお話がほとんどで、『ふたりはクリスマスで (ふたりはなかよしシリーズ)』(原書『Musgrove and Father Christmas』)に描かれるような「夢」がいっぱいの絵本にここのところ出会っていなかった。…

B is for Bethlehem: A Christmas Alphabet――ABCで追う聖誕物語

『B is for Bethlehem』は、このクリスマスの娘へのプレゼントだった。いつのクリスマスだっただろう。クレヴェンのクリスマス・カードを見つけて、その繊細でちまちまと書き込まれたり貼られたりしたコラージュに大感動したのだっけ。そのカードのイラスト…

こぐまのクリスマス――クリスマスをまつ24のおはなし

クリスマスの12日目 クリスマスのお祝いも今日で終わりです。お正月と合わせ、2日*1のできごとを除いて、ゆったりと心の和むよい休暇が過ごせました。そのクリスマス最後の日に、可愛らしい動物のアドベント・カレンダー絵本をご紹介します。毎年クリスマス…

Great Joy ディカミロのクリスマス絵本

クリスマスの4日目 ケイト・ディカミロのクリスマス絵本ということで注目しながら『Great Joy』(邦訳『ゆきのまちかどに (ポプラせかいの絵本)』)を読んだ。 時代は米国50年代か。年老いた手回しオルガン弾きと相棒のお猿さんを目にした少女フランシスは、…

スノーマン

クリスマスの3日目 毎年見ている『スノーマン (児童図書館・絵本の部屋)』*1のビデオ。今年はまだ見ていなかったので楽しまなくては! ピアノ伴奏のついた楽譜絵本もすごくよくて感動ものです。日本語(『やさしいピアノの絵本 スノーマン』)でも出ているよ…

馬小屋のクリスマス

クリスマスの2日目 聖書をいかにして日常に結びつけるか――。一冊の絵本が生誕物語を通して、教会聖職者たちの苦渋を優しく解いて見せた。『馬小屋のクリスマス』は、「ピッピ」の生みの親リンドグレーンだからこそ描けた現代の生誕物語。 「クリスマスのこと…

小さな ぎんのほし

クリスマスの1日目 『小さなぎんのほし (絵本の時間)』は、ずっと読みたいと思っていた絵本。タイトルの響きにすでにかけがえのないクリスマスの思いが込められていて、雪の舞う冬空に凛と澄んだ鈴の音が聴こえてくるようだった。着物姿の女の子からも察せら…

Angela and the Baby Jesus アンジェラと赤ちゃんのイエスさま

ピューリッツァー賞受賞作家フランク・マコートが『Angela's Ashes』(邦訳『アンジェラの灰 新潮クレスト・ブックス』)で描いた哀しい母アンジェラ。初めて取り組んだ絵本『Angela and the Baby Jesus: (Adult Edition)』では、アンジェラが6歳の頃のクリ…

The Latke Who Couldn't Stop Screaming: A Christmas Story 皮肉とユーモアでハヌカを語る絵本

『The Latke Who Couldn't Stop Screaming: A Christmas Story』は、ハヌカの習慣を紹介する絵本。しかし、ただならぬ赤い表紙からも察せられるように、レモニー・スニケットが皮肉とユーモアをたっぷりと絡めてハヌカのジャガイモ料理ラトケを主人公に語っ…

All-I'll-Ever-Want Christmas Doll とってもとっても欲しかったお人形なんだけど……

『The All-I'll-Ever-Want Christmas Doll』には、クリスマスに欲しくて欲しくてたまらなかったお人形を手にした主人公の女の子が、実はお人形遊びがそれほど楽しくないことを悟り、ならばどうしたら楽しくできるかを考え実践したお話が語られる。三姉妹の会…

Where, Oh Where, Is Santa Claus? サンタクロースはどこいった?

『Where, Oh Where, Is Santa Claus?』は、いなくなってしまったサンタさんを動物たちが探す絵本。彼らの足音や掛け声がリズム感あふれる擬音語となり、クリスマス気分を盛り立てる。小さな子どもたちにぴったり! この作者、押韻絵本を得意としていて、読む…

戦争ゲーム

タイトル『戦争ゲーム』のように、青年たちはまるでサッカーの試合に赴くような気持ちで出征したに違いない。英国を上げての愛国運動に踊らされ、第一次世界大戦の前線に送り出されたウィル、フレディ、ビリー、レイシー。4青年の悲喜は田舎から戦地に向かう…

まってる。

封筒の体裁に、ペンで書かれた『まってる。』のタイトル。人生の節々に見られる「まってる」場面を、赤い毛糸のつながりで表したフランスの絵本です。 この時季に記したかった理由は、象徴として示された毛糸の色が、クリスマスの「赤」に通じていると思えた…

Minerva Louise on Christmas Eve ミネルバ・ルイーズのクリスマス絵本

ミネルバ・ルイーズ、おかえりなさい! 『Minerva Louise on Christmas Eve』の表紙を見て、思わず愛しい気持ちがよみがえってきました。おとぼけにわとりのルイーズが赤いカーテンのかかったあの家で、今度はクリスマスの体験を物語ります。彼女のことです…

クリスマスまで1日1冊 アドベントに読むクリスマスの絵本24冊

◆をクリックすると、レビューに飛びます。 ◆こねこのクリスマス (Forest books) ◆モグのクリスマス ◆ゆうびんやのくまさん (世界傑作絵本シリーズ―イギリスの絵本) ◆まりーちゃんのくりすます (岩波の子どもの本 (15)) ◆くんちゃんとふゆのパーティー ◆ぐり…

Little Red Riding Hood クリスマスにぴったりの赤頭巾ちゃん

中表紙には、色づいた晩秋の森に雪がちらほら舞い始める風景。村はずれの小屋で暮らすお母さんと赤頭巾ちゃんの姿が収穫の秋を終え冬支度に入る時節にこれほどぴたりとくるとは、目にしてみるまで実感できなかった。体調の思わしくないおばあちゃんのために…