2009-01-01から1年間の記事一覧

クラス作り バランス感覚 教室と教会

今年のクラス運営について主人と話した。2・3学年の混合クラスで、特別クラス所属の生徒が各学年1人ずつ、ADHD2人、社会的行動にまったく従えない生徒1人。快調にスタートしたはずなのに、まともなクラス運営は厳しかったりする。これで、ガイデッド・リーデ…

We Are All Born Free アムネスティ・インターナショナル世界人権宣言の絵本

"We Are All Born Free: The Universal Declaration of Human Rights in Pictures"は1948年12月10日、国連総会で採択された世界人権宣言を紹介する絵本。原文よりも簡潔にまとめられている分、メッセージがずしんと重く心に届く。 英国の絵本ということで、…

Robot Zot ロボット絵本

韻を踏んだ"Robot Zot!"は、強烈な個性であっさり男の子をとりこにしてしまいそうな絵本。もし息子が幼かったら、どうだっただろう。好きになっていたかな――、いや、ちょっと違うような。 フォントがデジタル時計みたいな表示で、少々読みにくい。小さな読者…

The Boy Who Invented TV: The Story of Philo Farnsworth テレビ時代の終焉に

テレビ時代の終焉に"The Boy Who Invented TV: The Story of Philo Farnsworth"を読んだ。光を通した映像システムの構想が、耕していた農地の畝をストライプに置き換え生まれたとはおもしろい。農夫だったフィロ・ファーンズワースの生涯は、特許取得との闘…

Big Frog Can't Fit In とびきりゆかいなとびだす絵本

疲れているときに"Big Frog Can't Fit In"みたいな愉快な本があると、すごくありがたい。シンプルで、わっはっは!の世界。本から主人公の一部が飛び出し、表紙と裏表紙のサイズが異なるヘンテコな作りの体裁ですが、タイトルからその理由がすぐにわかります…

Animal Colors: A Rainbow of Colors from Animals Around the World 神さまからの贈り物――色いろいろの動物たち

諸聖徒日が過ぎても、今年はまだ赤、橙、黄など色鮮やかな紅葉が目を楽しませてくれます。自然界の生み出す色の美しいことといったらありません。木々を眺めては感動する毎日が続く中、ハッと目を奪われた絵本に出会いました。タイトルは"Animal Colors"。色…

Let's Do Nothing 子どもらしい空想力

"Let's Do Nothing!"のタイトルを見た娘が受けていた。「お兄ちゃんみたい」――、確かに。 「ねえ、何しようか、フランキー?」「わかんない……」――。やるべきことは、すべてやったと自称するサルが回想しはじめる。……スポーツはみんなやったし、ゴッホよりも…

Tacky Goes to Camp ペンギンのタッキー・シリーズ

娘が「おもしろいから、読んで、読んで!」と何度もすすめてくれた"Tacky Goes to Camp (Tacky the Penguin)"。笑いがこぼれる理由は、おりこうさんなペンギン集団の中で1匹だけはずれてしまうタッキーの個性にあるようでした。折り目正しくきっちり行動する…

グーグルロゴ@ハロウィンでハロウィンのお菓子さがし

楽しそうなので、娘といっしょにハロウィンのお菓子さがしに挑戦。 ジャック・オー・ランタンのキャンディバッグを"Click or treat!"で開けて見ると…… 中にはハロウィンの定番お菓子。チュウイーキャンディー2種、ロリポップ、キャンディーコーン、スマーテ…

Only a Witch Can Fly 今年一番のハロウィン絵本

去年が"The Haunted House"(米国版"Ghosts in the House!")*1なら、今年は"Only a Witch Can Fly"です。両者ともアジア人アーティストによるイラストなので、ハロウィンにもいわゆる日本風の「ゆるく、かわいい雰囲気」が浸透しつつあるのかもしれません。…

こどもたちのハロウィン

本日学校で行われる「モンスターマッシュ」の仮装集会で、娘は青いヤップヤップ星人になります。セサミ・ストリートに登場する一キャラクターで、たしかおととしのハロウィン用に息子が作りました。彼は学校では仮装せず、当日友だちと古着屋さんに行って何…

Yummy Eight Favorite Fairy Tales たのし、かわいや、おとぎばなし

"Yummy: Eight Favorite Fairy Tales"は、ルーシー・カズンズによるおとぎ話が「おいしそう〜」に8話つまった絵本です。これはもう、英語でも、日本語でも、とにかく一家に一冊の必読書!と宣言してしまいましょう。おなじみのたのしいイラストに、わかりや…

Otis ぽんこつだからあたたかい

"Otis"は、たらきもののトラクター、オーティスのお話。農場で活躍した日々はもう昔のことで、今はお役目ごめんの身。でも、自分に取って代わった最新鋭の大型トラクターにもできなかった牛の救出作戦を成功させ、みんなから再び喝采を浴びた。 チャコールグ…

Dog Biscuit いぬビスケットをたべちゃった!

"Dog Biscuit"は、犬の大好きな子どもたちに贈りたい絵本です。文句なしにかわいい。純真な子ども心を丁寧に描写すると、こういう魔法がかったファンタジーになるのですね。 納屋で犬用のビスケットを目にしたブリジットは、何の気なしにそれを食べてしまい…

2009年のハロウィン絵本

2009年のハロウィン絵本 今年は『かえるごようじん』が忘れられませんでした。洋書のほうでは最近レビューを書いた"Dark Nightでしょうか。両者とも直接ハロウィンがテーマではありませんが、怖そうで愉快なキャラクターたちが出てくるのでハロウィンにぴっ…

地方発の絵本だって可能

こちらの記事を読み、なぜ東京集権文化になるのか教えてもらった。ブクマを見て察するところ、ここでいう文化とは若者文化、外国の輸入文化となる。その一極化の理由は、1941年に制定された「元売り集中体制」にあるのだそうだ。今から半世紀以上も前に定め…

Hook 大空に弧を描くイーグル

「あっ、イーグル!」――。悠然と弧を描いて舞うイーグルの存在を教えてくれたのは、子どもたちだった。はじめは何のことなのかよくわからず、とりあえず指のさされた方向を見上げただけ。透明な空の一点に焦点を合わせようと、あたふたしていた。堂々と空を…

Bartleby Speaks! 発語をテーマにした物語

"Bartleby Speaks!"の主人公は、赤ちゃんのバートルビー。なかなか言葉を発せず、おかあさん、おとうさんをやきもきさせてしまう。――ちょっと脱線して……珍しい名前なので調べてみると、メルヴィルの小説"Bartleby, the Scrivener"(1853年)の主人公とかけた模…

Billy and Milly, Short and Silly 鋭い感性がキラリ!

シンプルなものこそ、ごまかしがきかないゆえに完璧さが求められる。"Billy and Milly, Short and Silly!"は、その「シンプル」が完璧にぴたりと決まった絵本。脚韻を並べただけの、ちょっと笑えるショートストーリー集である。わずか3語、あるいは4語でこれ…

14 Cows for America 有事をどう生きるか

"14 Cows for America"は、ケニア人留学生ウィルソン・キメリ・ナイヨマさんの911同時多発テロ事件体験をつづったノンフィクション絵本。ケニアに帰国した際、村人たちにニューヨークの惨事を伝え、地元では命の糧とされる「牛」を捧げることで、被災者たち…

The Frogs and Toads All Sang アーノルド・ローベルからの贈り物

Rm105のライターズ・ワークショップ(作文の時間)。先週から「作者に学ぼう」をテーマにアーノルド・ローベル作「がまくんとかえるくんシリーズ」の中から「おはなし」を題材にしている。ひとりで読むなら一年生ぐらいの内容。でも、こういうお話を「書く」…

5秒でわかる世界でもっとも正確な性格テスト

こちらの性格判断、ばっちり当たっていた。直感で3。あまりにもぴたりでびっくり。8にも少し惹かれたかな。きっと子どもの頃は違う柄を選んだと思う。……なんて、ちょっと遊んでみた。加齢につれて、紫系統の色にどんどん引き込まれている。 はてなブックマー…

The Circus Ship ご当地絵本で歴史をひも解く『サーカス・シップ』

1836年10月29日、メイン州ポートランドに向かうロイヤル・タール号が遭難。乗員103名に混じって、サーカス団の動物たちも海に投げ出されてしまった。記録によると、ゾウ1頭、ライオン2匹、トラ、レオパード、馬6頭、ラクダ2頭、ヌー、ペリカン2羽、大蛇と鳥…

Jeremy Draws a Monster この「かいじゅうさん」は

外に一歩も出たことがないジェレミー。家の中でお絵かきをして怪物を描いたのはいいのだけれど、絵から出てきたこいつがなかなかの曲者だった。わがまま言いたい放題で、礼儀もまったくわきまえない。「サンドイッチかいて。はらへったから!」「トースター…

結婚式にお呼ばれ

真向かいに住むご夫婦のお嬢さんが、京都のお寺に嫁ぐことになった。僧侶の嫁として家庭の太陽となり、温もりに満ちた家庭を築かれることを願わずにはいられない。懐かしの京都を訪ねる理由がまたひとつ生まれてうれしいな。すてきな式・パーティで、子ども…

アマゾンくるくるウィジェット しずかな秋の絵本棚

アマゾンのくるくるウィジェットを秋仕様に。砂糖カエデの甘い香りに包まれながら、しっとり静かな秋に読みたい絵本を並べてみました。秋の絵本棚からの抜粋ですけれど、くるくる回して見るのも趣があるかなと思ったりします。しずかな秋の絵本棚ファーディ…

Princess Hyacinth 気球に乗った男の子の話題に便乗して

コロラド州で起きた気球騒動。ウェブで銀色の円盤形ヘリウム気球を目にしてから"Princess Hyacinth (The Surprising Tale of a Girl Who Floated)"を読んだので、空を飛ぶ感覚がぐぐーんと現実味を帯びて感じられた。 「宙に浮く」という普通でない苦難を抱…

Rm105のブックレポート

新学期が始まり、快調にチューター職発進! 今年はRm105のみのお手伝いで、これ以上何を望めばいいのだろう、どっぷり幸せである。 さっそく昨年好評だったキューブ・ブックレポートの課題に取り組むことになった。今年は6グループがそれぞれ異なる絵本のレ…

Dark Night そろそろ、ハロウィン

"Dark Night"はハロウィンがテーマではないけれど、だんだん日が短くなってくる今頃にぴったりの絵本だろう。ほどよく素人っぽい展開が、不思議な親しみやすさを投げかけている。何となく、ずっと目の届くところに置いておきたいような、そんな感想。ワニの…

いろいろペンギン

真夏に読めば納涼になるのかな。原書"A Penguin Story"について以前書いたと思っていたところ、なぜか探し出せない。デビュー作シリーズに比べて今ひとつ……の印象が残ったのだっけ。出だしは興味をそそられたけれど、おしまいに近づくにつれてクエスチョンマ…