2005-08-01から1ヶ月間の記事一覧

四季の絵本手帖『夕あかりの国』

秋の23ページ 夕あかりの国 夕あかりの国作者: アストリッドリンドグレーン,マリットテルンクヴィスト,Astrid Lindgren,Marit T¨ornqvist,石井登志子出版社/メーカー: 徳間書店発売日: 1999/03/01メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る 「だい…

クイル賞ノミネート作品を読む#5 古代エジプトにようこそ〜の仕掛け絵本

『Egyptology: Search for the Tomb of Osiris (Ologies)』(エジプト学)は、2003年発行の『Dragonology: The Complete Book of Dragons (Ologies)』(ドラゴン学)と今秋発行の『Wizardology: The Book of the Secrets of Merlin (Ologies)』(魔法学)で…

四季の絵本手帖『きんいろのとき』

秋の22ページ きんいろのとき―ゆたかな秋のものがたり きんいろのとき―ゆたかな秋のものがたり作者: アルビントレッセルト,ロジャーデュボアザン,Alvin Tresselt,Roger Duvoisin,江國香織出版社/メーカー: ほるぷ出版発売日: 1999/09/01メディア: 大型本 ク…

クイル賞ノミネート絵本を読む#4 ポップ・アップ絵本の王さま

ロバート・サブダといえば、白い画用紙使いの魔術師という印象。イラストも描くけれど彼が絵本で一世を風靡した理由は、細工の凝ったポップ・アップ絵本の造形にある。作者のサイトに小学生の頃のエピソードが紹介されていた。母親がいつも大量の紙を用意し…

四季の絵本手帖『アップルパイをつくりましょ』

秋の21ページ アップルパイをつくりましょ―りょこうもいっしょにしちゃいましょ アップルパイをつくりましょ―りょこうもいっしょにしちゃいましょ作者: マージョリープライスマン,Marjorie Priceman,角野栄子出版社/メーカー: ブックローン出版発売日: 1996/…

クイル賞ノミネート絵本を読む#3 愉快なRunny Babbit語遊び

『Runny Babbit: A Billy Sook』は、日本では『おおきな木』や『新装 ぼくを探しに』で知られる詩人、漫画家、脚本家、俳優、音楽家、グラミー賞受賞作詞家……と多彩な才能で活躍したシルヴァスタインの最後の詩画集。楽しい言葉遊びは、まずタイトルに表れる…

四季の絵本手帖『あかいはっぱ きいろいはっぱ』

秋の20ページ あかいはっぱきいろいはっぱ (かがくのほん) あかいはっぱきいろいはっぱ (かがくのほん)作者: ロイスエイラト,Lois Ehlert,阿部日奈子出版社/メーカー: 福音館書店発売日: 2002/11メディア: 大型本 クリック: 14回この商品を含むブログ (12件)…

クイル賞ノミネート絵本を読む#2 禅ワールド

『Zen Shorts (Caldecott Honor Book)』(邦訳『パンダのシズカくん』)は、3つのお話を通して禅思想を伝えるという絵本。語り手であるジャイアント・パンダのスティルウォーターさん(静水さん?)は、江戸時代後期の臨済宗妙心寺派の禅僧、仙突豪`梵(せ…

四季の絵本手帖『すきですゴリラ』

秋の19ページ すきですゴリラ (あかねせかいの本 (12)) すきですゴリラ (あかねせかいの本 (12))作者: アントニー・ブラウン,山下明生出版社/メーカー: あかね書房発売日: 1985/12メディア: 大型本 クリック: 2回この商品を含むブログ (9件) を見る 親の愛情…

クイル賞ノミネート絵本を読む#1 いつもぬいぐるみといっしょの赤ちゃんのお話

『Knuffle Bunny』には、赤ちゃんのいる家庭の小さなドラマがユーモアいっぱいに描かれる。舞台はニューヨーク、ブルックリンの街角。白黒写真で登場する通りや公園は、セサミストリートで目にするおなじみの光景だ。主人公のトリキシーは(きっと)歩き始め…

四季の絵本手帖『にぐるまひいて』

秋の18ページ にぐるまひいて Ox-Cart Man作者: Donald Hall,Barbara Cooney出版社/メーカー: Viking Books for Young Readers発売日: 1979/10/01メディア: ハードカバーこの商品を含むブログ (1件) を見る 米国ニューイングランド地方の古き良き時代の生活…

消費者の人気書籍投票によるクイル賞

文字文化の発展を願って、今夏米国で初めての消費者による書籍人気投票が行われる。全19分野で各5作品がすでにノミネートされ、1位にはクイル賞が贈られる。 さっそく子どもの本関連をチェック。ふむふむ。絵本、児童書、YAに各5冊ずつ。ハーリー・ポッタ…

四季の絵本手帖『もりでいちばんつよいのは』

秋の17ページ もりでいちばんつよいのは? (児童図書館・絵本の部屋) もりでいちばんつよいのは? (児童図書館・絵本の部屋)作者: ジュリアドナルドソン,アクセルシェフラー,Julia Donaldson,Axel Scheffeler,久山太市出版社/メーカー: 評論社発売日: 2001/01/…

Biscuit Bear の秘密

「ビスケット」という言葉を耳にして心ときめかない子どもはいないはず……って、これは独断と偏見による決め付けだろうか。「ポケットの中には〜〜」の「ふしぎなポケット」はムーミンと並んで幼少期のテーマソングだったし、少なくとも記憶の中で「ビスケッ…

四季の絵本手帖『たんじょうび』

秋の16ページ たんじょうび (世界傑作絵本シリーズ) たんじょうび (世界傑作絵本シリーズ)作者: ハンス・フィッシャー,おおつかゆうぞう出版社/メーカー: 福音館書店発売日: 1965/10/01メディア: 大型本購入: 1人 クリック: 7回この商品を含むブログ (27件) …

小さな子どもの心に入り込む『Russell the Sheep』

ニューヨーク・タイムズ紙に載っていた『Russell the Sheep』を読む。書店で手にしたときは、ホールマークのグリーティング・カードみたいなイラストだなあ〜という印象。でも、色合いはなかなかいい。1人で就寝する欧米の子どもたちにとって、ベッドタイム…

四季の絵本手帖『ジャムつきパンとフランシス』

秋の15ページ ジャムつきパンとフランシス Bread and Jam for Frances作者: Russell Hoban,Lillian Hoban出版社/メーカー: HarperCollins発売日: 1993/05/01メディア: ハードカバーこの商品を含むブログ (1件) を見る ささいなことにも関わらず新しいことに…

『The Earth, My Butt and Other Big Round Things』by Carolyn Mackler 読書ノート

YA

『The Earth, My Butt, and Other Big Round Things (Teen's Top 10 (Awards))』の読後感想をほやほやのうちに記そうと少々あせる。うん、素直に感動〜、どっぷり楽しくて、ためになる作品だった。再び一気読み。一人称の語りは、どんどん読ませてくれる。キ…

言葉の力と戦争

war

『おとなになれなかった弟たちに…』は、中学1年生の教科書で出会った。ひもじさに負け弟のミルクを隠れて飲んでしまう少年(作者)の、戦時回想記である。 幾度となく頭にイメージの浮かぶ場面――。空襲が激しくなってきたので疎開の相談をしようと親戚を訪…

四季の絵本手帖『ひとまねこざる』

秋の14ページ ひとまねこざる (大型絵本) ひとまねこざる (大型絵本)作者: H.A.レイ,光吉夏弥出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1983/09/26メディア: 大型本 クリック: 2回この商品を含むブログ (5件) を見る 好奇心いっぱいのおさるのジョージは、何でもし…

夏のひそかな楽しみとなる絵本#9 アイリーン・ハース夏絵本3部作

草色の絵本『カーリーおばさんのふしぎなにわ (あかねせかいの本 6)』 勝手にハース夏絵本3部作なんてつけた理由は、この作品を手にしたとき「夏のさわやかさを描かせたらハースが1番なんじゃないか」と感じたことに起因する。表紙も中表紙もページのすべ…

のりのり&心に染み入るコンサート

水曜日からコンサート続き。水曜日は、地元のファンク・バンド「Doctorfunk」の屋外フリーコンサート。かっこいい〜。ブラスが入るとほんとにゴージャスな音になる。聞いているだけで体が動いてしまう。メンバーの1人は、地元高校の音楽の先生。主人が中学…

四季の絵本手帖『ぼく、お月さまとはなしたよ』

秋の13ページ ぼく、お月さまとはなしたよ (児童図書館・絵本の部屋) Happy Birthday, Moon (Moonbear)作者: Frank Asch出版社/メーカー: Aladdin発売日: 1985/08/01メディア: ペーパーバックこの商品を含むブログ (3件) を見る 音の反響「やまびこ」の妙を…

夏のひそかな楽しみとなる絵本#8 動物たちの芳しい夏

自然と動物の生活を表した英国のお話はたくさんあるけれど、中でもこれを絵本『むぎばたけ (日本傑作絵本シリーズ)』に仕立てた心眼はすごいと思った。月、星、麦畑、風――言葉と淡い水彩画から感じられるイメージが、芳しい夏の夜を美しく描く。息子はハリネ…

3Dで作るチョコレート工場

50色もある色粘土をいただき、パチン!とひらめいたのが3Dでのチョコレート工場作り。いつものように、ぐちゃぐちゃに色を混ぜるお遊びよりも、こういうプロジェクトの方が思い出に残って楽しいね。チョコレートの滝のある部屋のイメージは映画*1の通りに…

四季の絵本手帖『きりのなかのはりねずみ』

秋の12ページ きりのなかのはりねずみ (世界傑作絵本シリーズ) きりのなかのはりねずみ (世界傑作絵本シリーズ)作者: ユーリーノルシュテイン,セルゲイコズロフ,フランチェスカヤルブーソヴァ,Yury Norshteyn,Francheska Yarbusova,Sergey Kozlov,こじまひろ…

夏のひそかな楽しみとなる絵本#7 「真夏の夜の夢」の絵本版

ある夏の夜、お誕生パーティへの招待状を受け取ったルーシーは、紙の帽子の魔法で小さくなり小鳥の運転するタクシーに乗ってパーティに出かけることに――。かえる、ねずみの夫婦、しゃくとり虫、夏の草花……、月明かりのもとで広げられる小さな世界のできごと…

四季の絵本手帖『お月さまってどんなあじ』

秋の11ページ お月さまってどんなあじ? お月さまってどんなあじ?作者: マイケル・グレイニエツ,Michael Grejniec,泉千穂子出版社/メーカー: セーラー出版発売日: 1995/09/09メディア: 大型本購入: 1人 クリック: 12回この商品を含むブログ (28件) を見る ま…

『Seedfolks』by Paul Fleischman 読書ノート

YA

豆の収穫が終わったことから、『Seedfolks』を読む。 米国都市部には、生まれた国、話す言葉もさまざまな人々が集まる。よそ者同士の住む場所は自立のために精一杯な人々のるつぼとなり、正直、隣りにいる人間などどうでもいいという気質さえ生まれてくる。…

子どもと豆の木

春先にまいたブッシュ・ピーズの収穫期を迎えた。さやが硬くなり、表面がぼこぼこし始めた今が摘みどき。お天気続きだったので、気づかないうちに随分成長していた。大人の指以上に太く大きくなったさやは結構分厚く頑丈である。子どもはナイフを使わないと…