2006-03-01から1ヶ月間の記事一覧

心の友 詩を紹介する絵本

図書館で借りるだけの絵本と購入にいたる絵本。この違いを生む要因は、絵と言葉の質と自分の好みによる。『A Kick in the Head: An Everyday Guide to Poetic Forms』は、購入絵本。ためいきの出る詩の絵本だからである。 といっても、ただの詩ではない。こ…

ちいさなあかいめんどり

よく知られているお話だが、どうしてもバートン版『ちいさな あかい めんどり』で読んでみたくて購入した。娘は「もう知ってるから」とあまり興味を示さなかったけれど一緒に読む。そうね、確かに小さな子ども対象の絵本である。でも、3匹のくま*1、*2で魅…

ちまたで話題の絵本

話題の絵本『Fancy Nancy』を娘と読む。なるほど、なるほど、人気の秘密は最後のページにあった。 ナンシーは、なんでも華やかに飾るのが大好き。リボン、レース、造花、羽飾り、光り物を部屋の中にも洋服にもたくさんつけてしまう。紫色のかわりに「フュー…

1ねんに365のたんじょう日プレゼントをもらったベンジャミンのおはなし

息子の誕生日に読もうと思っていたのにタイミングを逃してしまった『Benjamin's 365 Birthdays』(邦訳『1ねんに 365のたんじょう日プレゼントをもらったベンジャミンのおはなし (世界の絵本)』)を読む。 9歳のお誕生パーティを開いた犬のベンジャミンはそ…

ミュージアム・ナイト アフリカ展

先週の一大イベントは、木曜日のミュージアム・ナイト。中学6年生全員(約400人)が社会と国語の合同行事としてアジア・アフリカの文化・民族・風習を伝える展覧会を開いたのだ。チーム制を取り、3チームが、それぞれ、アフリカ、中国、ギリシャ・ローマ、…

おまるがない!

小さな子どものいる家庭に1冊、必需品――とはそのとおり。『おまるがない!』は、娘のお気に入り絵本である。自分が大きくなっても、小さな子どもの生活ぶりを垣間見るのは楽しいらしい。自分もそうだったから共感できるということかな。それにこの絵本の主人…

うんち――この謎に満ちたすばらしきもの――

息子の熱烈なリクエストを受けて『Poo うんち―この謎に満ちたすばらしきもの (ほんやくえほん)』を読む。小学生向けにうんちの役割をわかりやすく説くノンフィクション絵本である。 まずは身近なところからウンチの話に入り、肉食動物、草食動物、小さな生き…

歯が抜けた!

夕食前、「ママー!」と叫ぶ娘の甲高い声がしたので振り返ると、下唇を血まみれにした笑顔があった。「抜けたのー?」と聞くと、得意げにうなづいている。どれどれ、見せて。特等席とばかりに手のひらに乗せられた小さな白い歯は、まるで米つぶのよう。これ…

桃の節句に

桃の節句に『The China Doll』を読んだ。日本の文化継承を怠っている自分が忍びなく、ひとりで。 サラは陶製のお人形。持ち主ジェシカの5歳のお誕生日にティーセットをプレゼントしようと思い立ち、みんなが寝静まったころ、こっそりベッドから抜け出した。…

ぼくのおさるさん どこ?

よい絵本というのは、無言でも存在感がある。文字なし絵本『Where's My Monkey? (Lemniscaat Series)』を開き、あらためてそんな風に感じた。これは、絵だけで語る、おさるさんのぬいぐるみのお話。男の子の大切にしていたおさるさんが外出の途中、自転車か…

ぐらぐらの歯

歯がぐらぐらして、うれしくてしかたのない娘。そこで、『ぐらぐらの歯 (世界傑作童話シリーズ)』から同名のお話を読む。 りんごをかじり歯がぐらつき始めたきかんぼのちいちゃな妹は、ぐらぐらの歯がうれしくてしかたない。(娘といっしょ。)「ぐらぐらの…

ロベルト・クレメンテの生涯

打ってよし、走ってよし、守ってよし。『Roberto Clemente: Pride of the Pittsburgh Pirates』は、スポーツ・ノンフィクション絵本。オールラウンドプレイヤーと知られ、MLBナ・リーグの最下位チーム、ピッツバーグ・パイレーツをワールド・シリーズ優勝に…

月旅行に行きたいな

『If You Decide To Go To The Moon (Booklist Editor's Choice. Books for Youth (Awards))』は、月の様子をわかりやすく解説するノンフィクション科学絵本である。といっても科学色はあまり強くなく「もしあなたが月へ行くとしたら、こんなことから始めま…

家族愛のつまった絵本

描かれている季節は秋だが、バレンタインにいいなと思った絵本『In My Heart』。アダプトした男の子を見守るお母さん、お父さんの姿があたたかい。男の子は、インド系かな。ページの至るところにインド風の文字や装飾が見られたから。どんなときもわが子のこ…

シスのモーツアルト絵本

有名な音楽家の絵本って以外と少なくて驚く。すでに偉大な作品が残されているから、絵本メディアとして伝えられるものが希薄になってしまうからだろうか。でも、ピーター・シスの実力なら敵なしじゃないか。5月に刊行予定"Play, Mozart, Play" by Peter Sís…

きんのたまごのほん

今年の復活日は4月半ば。今週から大斎節(レント)が始まったというタイミングだったけれど、「イースターの本がいい」とリクエストが出たので『きんのたまごのほん』を読む。娘はすでに原書『The Golden Egg Book (Big Little Golden Book)』で読み、内容…

おなら犬ウォルター

『Walter the Farting Dog』の邦訳『おなら犬ウォルター』が出た。読んでみたいな……の気持ちがむくむくむく。キャプテン・アンダーパンツなどもそうだったけど、社会的に非上品とされるテーマを扱う作品が日本語でどう表現されるのか興味津々である。 今年5…

合科型・池の野外学習にぴったり

『Song of the Water Boatman and Other Pond Poems (Bccb Blue Ribbon Nonfiction Book Award (Awards))』は、池に住む生物の生態学習に最適の詩集絵本である。11編の詩が池の自然を歌うと同時に自然学習へのきっかけ生み出す発火役を務める。国語と自然科…

わたしがあかちゃんだったとき

『わたしがあかちゃんだったとき』を読み終え、思わずほろり。主人公は女の子。でも、息子の誕生1年目とすべてが重なるので、知らぬ間に絵本と記憶が溶け合っていた。2月生まれで誕生日には雪がちらついていたこと、家に戻るとクロッカスが芽を出していて…

大きな大きな女の子

巨人5姉妹のお話*1で思い出し、『Swamp Angel (Caldecott Honor Book)』(邦訳『せかいいち大きな女の子のものがたり』)を読んだ。こちらは南部テネシー州を舞台に繰り広げられるほら吹き話。生まれたときからお母さんより大きくて、2歳のときには、まる…

行って、戻るabc絵本

26の言葉や文章でテーマやお話を語るabc絵本の中でも『Bad Kitty』は、ちょっぴり異色である。この黒猫ちゃん、タイトルには「いたずらねこ」とあるが、実は根はいい子。どうしていたずらになっちゃったのかといえば、それにはこんなわけがあった。 「あら、…

子どもの祈り

日本語でないと伝わらないものに「祈り」がある。英語の祈祷書で唱えていても、実はいまひとつ心に響いていなかったりする。(ところが聖歌となると、英語のほうが泣けてしまうのはなぜか。じんと胸の深いところに言葉とメロディが入り込んできて、目頭が熱…