2010-01-01から1年間の記事一覧
「『好き』を貫く」という表現が何年か前、はてな界隈をにぎわしていた。"Brontorina"は、それが何たるかを如実に物語っている。 バレエの大好きなブロントリーナが、バレエ学校への入学を懇願する。校長先生のマダム・セシルはハートのある人で、ブロントリ…
"Hallowilloween: Nefarious Silliness from Calef Brown"もハロウィン前に記すべきだった。こんな風に言葉をあやつりながらお祭りを迎えるって、さぞかし楽しいだろう。どのページにもウィットに富んだ、愉快で、ほんのり奇怪な詩が飛び交っている。 語感だ…
ハロウィン前に記しておくべきだった。"AlphaOops: H Is for Halloween"では、おちゃめで、ズッコケのアルファベットたちがハロウィンの舞台に立つ。ふつうであればAから始まるところだけれど、今日はハロウィンだから、はじまりはH。こうして、ゾンビのZ…
本日の絵本は、"Christmas Has Merry!"と『うちにかえったガラゴ』の2冊。前者はシンプルな韻を踏みながら、クリスマス・スピリットを伝える楽しい絵本。娘がプレスクールのときに、クリスマス会でいただいた絵本です。本人がうれしそうに読んでくれ、わた…
新しいものを創造するとは、どういうことか。加齢に伴い古典に傾倒している自分にとり、「俗」に宿る新しい無限性の追求は、とりあえず時間の無駄のように思えていた。「雅」はやはり古典に存在する。古典あってこその「俗」であり、研ぎ澄まされた文化の始…
子どもたちの好きな絵本、わたしの好きな絵本、そしてクリスマスの絵本……。絵本の散乱する中、とにかく24の包みを作った。急いでいたので、実はわたし自身、何を入れたのかおぼろげにしか覚えていない。好きな絵本とクリスマスの絵本を半分ぐらいの割合で…
"Olivia Goes to Venice"を読み、オリビアの家にもう一匹、赤ちゃんが生まれていたことに驚く。でも、彼女はデビュー作"Olivia"のオリビアのまま〜。あれは確か9年前。その後、たくさんのシリーズ絵本・商品が出て、数と種類の多さには驚くなあ。裏返せば、…
かわいい! アマゾンではまだ書影が出ていないようなのだけれど。『いつか、きっと』の表紙、この赤いおべべのような和柄を見て、『もりのおくのおちゃかいへ』とともに自分へのクリスマス・プレゼントにしようと衝動にかられた。 作品紹介として「小さな島…
1年生の教室で'Elephant & Piggie Book'シリーズは、絶大な人気を博している。3クラスのどの教室にもモーさん絵本のバスケットがあり、自由読書のときは取り合いになってしまうほどだ。キャラクターが愉快だし、感情表現が豊か、会話がシンプルで、テンポ…
とてもユニークな絵本に出会った。"Seasons"は、厚さ約2センチの質感たっぷりの版画絵本。赤、青、黄に緑と茶のみというシンプルな配色が印象的だ。色だけでなく装丁もレトロ感たっぷりで、ページを開くとたちまち1950年代前後ににワープする錯覚に陥る…
"The Odious Ogre"は、現代人向けの寓話と言うべきか。世にも恐ろしい人食い巨人が愛らしい少女に出会い、価値観の違いに仰天するお話。 人食い巨人は殺戮を繰り返し人々を戦慄させることに快感を覚えていた。ところがある日、極悪非道の巨人をまったく脅威…
息子が小さな頃、カメレオンに夢中になった時期があり、'National Geographic'などの雑誌でカメレオンの写真があるとすぐさま切り抜いていた。コピー機か何かの広告で色鮮やかなカメレオンの姿を見つけたときは、息を呑んだ。あれは本物のカメレオンだったの…
去年をふりかえっていたら、興味深いメモ(2010年版)をミッケ! 気持ちもあらたに再び記してみる。 家族のよきサポーターになる(忙しくても、おやつを作る!) 古今、新古今に親しむ(どういう形になるか未定だが、感性のキーワードごとに歌をまとめる…
"A Visitor for Bear (Bear and Mouse)"(邦訳『おきゃく、おことわり?』)のおおくまさんとこねずみのコンビが戻ってきました。今度は、ベッドタイム・ストーリー"A Bedtime for Bear (Bear and Mouse)"。「おやすみなさい、おおくまさん」……みたいな雰囲…
セールで購入した布は全部で11種類。ここから14枚小さいコットン風呂敷を作り、残りは家にあるファブリックとはぎれのパッチワークで24枚完成の予定。娘のリクエストにより日付のタグはつけず、好きな包みを選ぶことになった。現在のところ8枚完成。→…
"Mog's Christmas"(邦訳『モグのクリスマス』)は、モグ・シリーズの中でさいしょに出会った絵本です。その後、シリーズはすべて読みましたが、このクリスマス絵本が一番愉快でした。お話は、ふとっちょタビ猫モグの、とあるクリスマスの光景を描きます。 …
"Sun Moon Star"(邦訳『お日さま お月さま お星さま』)は、不思議な降誕絵本だった。まず絵本誕生の背景が特異だ。ニューヨークで編集コンサルタントをするフランク・プラットがグラフィック・デザイナーのアイヴァン・チャマイエフに絵を描かせ、これをカ…
id:misaruさんから教えていただいたアイデアを今年、さっそく実行してみようと思います。これは、クリスマスまで1日1冊読もうと選んだ絵本24冊を、1冊ずつラッピングして、アドベント・カレンダーのように子どもたちに1日1つ、開いて楽しんでもらおう…
雪の収穫感謝を迎え、うちの猫たちは家の中でぬっくぬくの毎日を楽しんでいる。ふだんは外で遊んでいる彼らが家の中でのんびりしているのを見ると、なんだか、ほっこりしあわせ。とくに太っちょタビ猫デュークのごろごろぶりは、見るものに季節のぬくもりを…
今年ももうアドベントの季節です。なんと、はやいこと……。最近、日本の古典に傾倒していることも手伝って、何だか絵本がものすごく遠くに見えていました。 振り返ってみれば、イギリス産業革命からブルジョア階級が生まれ、その子弟に広まった絵本。子どもの…
かわいいなあ! 大きいのと小さいのと、サイズの対照的なキャラクターが登場するお話は、その設定だけでひきつけられる。"Ernest, the Moose Who Doesn't Fit"は、体が大きすぎて本の中におさまらないムースのお話だ。でも、確かに悩みを抱えるムースのアー…
読み終わった後、21世紀に"A Sick Day for Amos McGee"(邦訳『エイモスさんがかぜをひくと』)のような絵本の創作が可能なのだと、ただただ感心していました。抑えた色合いと配色、やわらかな輪郭線、動物たちに囲まれた初老の主人公……。それらを眺めてい…
本の大好きな犬くんが、本屋を開いた。ほんわか好きなものに囲まれて暮らすのって、いいな。荷をほどいて本を並べ開店準備をする犬くんは、しあわせいっぱい。お客さんがなかなかやってこなくても大丈夫。犬くんは流れる時間に運ばれて本を開き、すうっとそ…
久々にウィーズナーの絵本を手にして、彼のアート魂を垣間見せてもらったような気がする。"Art and Max"の主人公は、トカゲのアーサーとマックス。アートことアーサーはすでに地位を確立している画家で、マックスはまったくの素人という設定だ。 舞台はアリ…
動物が人間の子どもをペットにしたら、どんなことが起こるだろう。子どもにとってワクワクしそうな視点の逆転を描いた"Children Make Terrible Pets (Starring Lucille Beatrice Bear)"は、作者が小さな頃、母親に問われたひとことから発想を得たらしい。森…
"もりのおくのおちゃかいへ"の表紙を見て、むしょうに誘われた。しっかりしたデッサン力+モノトーンに効果的な射し色が好みである。作者のサイトで見た動物たちのイラストも魅力的。こういうしっかりと絵を描く画家さんが増えて欲しいな。今のところ、クリ…
"Busing Brewster (NY Times Best Illustrated Children's Books)"は、70年代に起きていた米国の苦悩を明るく描く。1954年に人種隔離政策が撤廃されても、居住区域がすでに別々だったことから子どもたちの通う学校は黒人、白人に分かれたままの状態が…
ジョン・バーニンガムとヘレン・オクセンバリーという英国絵本界の最強コンビ(ご夫妻)が贈る"There's Going to Be a Baby"(邦訳『あかちゃんがやってくる (こどもプレス)』)を読んだ。本音を言えばバーニンガムの絵が見たかったのだけれど、読んでいるう…
"Big Red Lollipop"は、ひさびさに感動移入しながらストーリーを追った絵本だった。移民という異文化背景と小さな妹たちのいる家族構成――。この2つのおかげで主人公の少女は辛い現実に直面するのだけれど、同時に姉として心の成長も体験する。 友だちのお誕…
たった今メールが届いたので、アマゾンによる今年の10冊をご紹介。"Dog Loves Books"(『ほんやのいぬくん』)はとてもすてきな絵本だったのに、絵本手帖に書かずじまいだった。今月はそんな絵本のレビューで忙しくしたいな。 →City Dog, Country Frog 犬…